模試を受ける前にチェック! 模試の機能と上手な受け方 模試徹底活用法(1)

模擬試験の大きな役割は、志望校との距離をはかること。しかし、そのほかにも様々な機能があり、ただ合格可能性を見るだけではもったいないものです。
今回は、模試を受ける前に知っておいていただきたいことについて述べます。

模擬試験の4つの機能とは

2学期以降に受ける模試の機能には、大きく分けて次の4つがあります。

A 学力が、全体から見て相対的に伸びているかを判断する

秋になると、勉強に本腰を入れる中3生が増えてきます。自分は一生懸命やっているつもりでも、周囲がもっと頑張っていれば偏差値は上がりません。模試を受けることで、自分の学力が上昇しているか下降しているかを相対的に判断することができます。

B 不得意なまま残されている教科・単元を発見する

10月までの時点で最も重要なのがこの機能です。得意教科の点数を10点上げるのは難しいですが、不得意な教科なら比較的簡単です。10点上がれば、合格可能性にも大きな差が出てきます。

C ミスの傾向や時間配分のコツをつかみ、得点力をアップする

得点力をアップできれば、合格可能性にも差が出てきます。ミスを防止できれば、各教科5点程度のアップは難しくありません。

D 志望校の合格可能性を知る

もちろん重要な機能ですが、10月の時点では、これ以降、まだ学力がアップする可能性は十分にあります。この数値だけを見て一喜一憂しないことが大切です。

A~Dの機能を活用しきることで、志望校に最短距離で近づくための戦略を立てやすくなるのです。

2学期には月1回程度の受験を

2学期には、月1回程度の受験がおすすめです。定期的に受けることで、お子さまの相対的な学力が順調に伸びているかを判断できます。
また、私立高校を受ける場合、個別入試相談会では、参考資料として、模試の成績を2回分持ってくるようにいわれるケースが多くあります。その成績によって学校側から「推薦入試を受けてください」「一般入試に回ってください」などとアドバイスされます。模試を3回以上受けていれば、結果の良い方から2回分を選んで持って行くことができますね。

尚、推薦入試を受けられるよう、模試で良い成績を取らせたいと考える保護者のかたも多いことと思いますが、だからといって模試のための勉強をさせるのは本末転倒です。本番を目指し、腰を据えて考える習慣をつけないと、骨太の学力はつきません。模試はあくまでも本番までの途中経過をみるものと割り切ってください。

お子さまの志望校に合った模試を

模試には様々な種類がありますが、個別入試相談会のための材料とするなら、各都道府県の公立高校の出題傾向に準じた、標準的な模試を受けていれば大丈夫です。難関の国立・私立高校、あるいは公立難関校の一部で行われる自校作成問題、グループ作成問題、特色検査を受ける場合、それらに対応した模試があれば、本番までに1、2度受けてみるとよいでしょう。ただし、難関校に対応した模試には学力の高い受験生が集まるため、偏差値は低く出ますから、入試相談会の材料には使えません。お子さまの志望校に合った模試を選ぶことが大切です。

尚、模試の受験会場の中に、実際に受験する予定の高校が含まれていたら、ぜひそこを選びましょう。本番の前に、その高校の雰囲気に慣れておくことができます。

志望校欄には、合格可能性の高い高校もあえて記入して

多くの模試では、志望校欄に5~6校の高校名を書くことができます。模試の前に、難易度の高い学校だけでなく、余裕を持って合格できそうなところも書いておくよう、ぜひお子さまにすすめてください。すべての学校の合格可能性が20%といった結果が出ると、ショックでやる気を失ってしまう子もいます。今の学力でも合格できそうなところがあれば、自信や安心感をベースに「もっと頑張ろう」という気持ちになれたりもするものです。

次回は、模試の答案や分析結果の活用法について述べます。

(筆者:安田理)

プロフィール

安田理

安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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