ダラダラを防ぐには? 夏休みの時間管理サポート法 [高校受験]
この夏は、まとまった時間が取れ、余裕を持って学習に取り組める最後の機会です。夏休み中に集中して勉強できたお子さまとできなかったお子さまでは、大きな差が付きます。
そこで今回は、夏休みの学習計画や時間管理のサポートについてお話しします。
夏休みの学習計画の基本
ついダラダラ過ごしてしまうのを避けるために、必要なのは計画です。長期計画、週間計画、日課表を自分で作り、やるべきことを「見える化」すると、時間の大切さが実感できます。
まず、夏休みを前期・中期・後期の3つに分け、課題を次のように割り振って長期計画としましょう。
●前期--宿題、中3・1学期までの総復習
●中期--苦手単元の克服
●後期--2学期の予習
これをもとに課題を週ごとに割り振り、週間計画を立てます。夏期講習に行く場合、その期間は夏期講習の予復習のみに集中することで、講習の効果を高めましょう。日曜日は予備日としておき、予定どおり課題が終われば遊んでもOKとするのがおすすめです。
日課表は、夏期講習や部活動がある日とない日に分けて作り、ご家族で共有しましょう。
苦手単元の克服と振り返り
苦手単元は、過去の定期テストや模擬試験をもとに、教科ごとにリスト化しておき、終わったものは消していくと達成感が得られます。実際に克服できたか、夏休みの終わりに行われる模試などで成果を確認すると、秋以降の課題も明確になるでしょう。
「ダラダラ」を防ぐためのタイムテーブル
ダラダラは朝寝坊から始まります。夏は寝苦しさから夜更かしになり、朝なかなか起きられないという悪循環になりがちなので、いつもどおりの起床時間をきっちり守らせるようにしてください。
学校では、午前中に50分×4コマの授業をこなすところが多いですが、これと同様、家でも涼しい朝のうちを中心に日課を組み立てるとよいですね。午前中にしっかり集中できれば、午後は自由時間にして夕方から軽い学習を入れるのもよい方法です。
学習法や場所の「切り替え」も、気持ちの切り替えにつながる
「ダラダラ」は多くの場合、気持ちの切り替えがうまくできないことが原因です。ダラダラしているように見えて、内心では「勉強しなきゃ」と焦っているお子さまも多いもの。また、焦りとやりたくない気持ちが半々で、頭は動いていないのに机の前に座っているだけ、というのも効果が上がりません。
漢字や英単語の暗記など、手軽にできるものから始める、一人での勉強に飽きたら、理科・社会の問題を一問一答形式でご家族に出してもらうなど、学習法に変化を付けるだけでも効率が違ってきます。
また、学習内容によって場所を変えるのもよい方法です。暗記ものは居間でやり、問題演習や記述・作文の練習は、自室や図書館、塾の自習スペースで取り組むといった方法もあります。
自己コントロール法の発見も「受験勉強」のひとつ
ただし、これらはあくまでヒントにすぎません。自分の意欲のコントロール法を知ることも「受験勉強」のひとつです。自分に合った自己コントロール法を見つけるのは、お子さま本人にしかできません。それを子どもたちもある程度自覚しているからこそ「勉強しなさい」と言われたり、勉強法を押し付けられたりすることを嫌います。
お子さまがうまく学習を進められていない時は、ぜひヒントを示してあげてください。夏休みは一緒にいる時間が長いので、頭ごなしに叱りたくなることもあると思いますが、そこはこらえて、勉強に集中しやすい環境づくりに徹していただきたいと思います。
その意味では、「いつ勉強を始めるんだろう」といった心配やイライラを引きずらないよう、保護者のかたにも上手な気分転換が必要かもしれません。
お子さまが手応えを感じられるような、充実した夏になることをお祈りしています。
(筆者:安田理)