始めてみよう!アクティブ・ラーニング型入試対策[中学受験 4年生]

近年の中学入試では、大学入試改革の方向性を踏まえ、思考力や表現力、主体的に学ぶ姿勢が求められています。ですから中学入試対策も、自主的に調べたり、話し合ったりしながら学習を進めていくアクティブ・ラーニング型にするのがいちばん。アクティブ・ラーニングとは、一方的に授業を聴くのではなく、話す、書く、発表するなどの活動をしながら、能動的に学ぶ学習法を指します。
ここでは、4年生を対象に、家庭でできるアクティブ・ラーニング型学習法について述べます。

■パズルが刺激する「答えを言わないで!」という気持ち

まず、家庭で取り入れやすいのはパズルです。『算数脳パズル なぞぺー』シリーズや、『宮本算数教室の教材 賢くなるパズル』シリーズなど、パズルやクイズで構成された、面白い問題集がいろいろ出ていますので、ぜひお子さまと一緒に取り組んでみてください。

パズルのよさは、解けた時に「なんだ、そうか!」と目の前が開ける感覚を味わえること。そして、「答えを言わないで!」という気持ちを刺激してくれることです。「自分で考えたい」と願うことがそのまま「アクティブ・ラーナーになる」ことなんですね。

■現場・現物・一次資料を大切に

また、面白い図鑑や事典、地図などの資料は「もっと知りたい!」「調べたい!」という気持ちを刺激してくれます。特に理科・社会では、よい一次資料に当たって調べること、現地に行くこと、現物を観察することが大事。現場・現物を「生」で見て自分で資料に当たり、それを楽しく読んで人に話すと、その一連の知識がきれいに頭に入ってしまうわけです。

■アクティブ・ラーニングの神髄は「リアクション」

保護者のかたは、子どもの答えや、話してくれたことに対しては「へえ、知らなかったよ、すごいね!」とか「ここまではわかったけれど、ここから先がよくわからないから説明して」など、すぐにリアクションをしてあげてください。丁々発止のやりとりがあるからこそ、学ぶのが楽しくなる。楽しいから学習意欲が続くところが、アクティブ・ラーニングのよさです。

■おしゃべりがクリティカル・シンキングの出発点

また、普段から、ご家族でたくさん話をしてください。語彙(ごい)の多い子どもは、たいてい保護者のかたとよくおしゃべりをしているか、ご両親のやりとりをよく聞いています。話題は夕ごはんのおかずでも、次の休みにどこへ行くかでもなんでもいいのです。クリティカル・シンキングというと理屈っぽく聞こえますが、要は相手の思考のあとを追っていき、脈絡をとらえて理解すること。それを踏まえて、自分の考えを述べることが大切です。相手の話に飛躍があってついていけない場合は質問すること。意見が違うからといって、自分の考えを押し付けたり、逆に押し殺したりせず、ユーモアにくるんで相手に差し出す。そうやって違いを明確にしながら、うまい着地点を見つけていくのが議論です。よい議論の癖は、家庭内の楽しいおしゃべりで培われます。

■「自分で考えたくなるチャンス」をたくさんあげて

なお、アクティブ・ラーニング形式の授業は時間がかかることが多いので、短い授業時間しか取れない塾より、家庭や学校で行うほうが向いています。学校でも、授業中に積極的に質問や発言をするのはとてもよいことです。ただし、子どもの積極的な発言と、先生が想定している授業のペースが異なる場合もありますので、そこは保護者のかたがフォローしてあげてください。授業で自分の考えを述べたり、質問したりするとほめられるし、楽しい!とお子さまが感じられることが大切です。

自分で考えたい!調べたい!と感じ、主体的に楽しく学ぶ。受験勉強の最初の段階で、このような習慣が身に付けばしめたものです。

(筆者:森上展安)

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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