入試まで「あと1か月」の生かし方(1)過去問で実戦演習+弱点克服を [高校受験合格応援コラム 第10回]

前回は、年末年始の過ごし方についてお話ししました。今回は、ベストの状態で入試当日を迎えるための、約1か月間の過ごし方について述べます。



過去問の取り組み方--「解くスピード」を皮膚感覚でつかむ

過去の入試問題の取り組み方については第7回で述べましたが、1月からはより本番を意識して取り組む必要があります。問題の量と、解答していくスピードを、皮膚感覚でつかむことが大切です。
過去問は、第一志望校なら最低3年分、できれば5、6年分取り組んでください。併願校でも、最低1年分は取り組む必要があります。本番どおりの順番(多くの学校では国語 → 数学 → 英語……という順番です)で、制限時間以内で解答していきます。過去問題集の問題や解答用紙が縮小されているなら、原寸大にコピーし直し、時間を計って取り組むと、本番さながらの気分も出ます。

保護者のかたは、過去問題集に出ている正答率を参照しながらアドバイスしてあげてください。「この問題は正答率1割だから、できなくてもしかたないね」「これは8割以上の人ができている、絶対落としちゃいけない問題だよ」というふうに、ひと言添えてあげましょう。制限時間50分のうち、25分まで経過した時にどのくらいまでできていたか、最後に見直す時間は取れたかなど、採点しながらご本人と一緒に振り返りをするとよいですね。



ミス対策をしながら実戦力を養う

過去問を3~5年分もやれば、傾向がつかめてきます。記述問題の字数がだいたい80字とわかれば、その字数でまとまりのある文章を書く意識を持てばよいですし、国語や英語の問題文が長い場合は、スピードを上げながら正確に読み取る意識が必要になってきます。速く正確に読む力や計算する力、書く力は、過去問で訓練することで確実に身に付いてきます。

また、点が取れていない単元や知識があやふやな点があれば、塾や家庭学習で使ったテキストのその箇所に戻り、集中して学習すれば大丈夫。漫然と教科書を見直すより、過去問や模擬試験の答案からわかる弱点を攻めていったほうが、効果的です。また、単位やピリオドの付け忘れや、用語・人名などを書く時の漢字の間違いなど、ご本人が犯しやすいミスの傾向を知っておき、見直しを徹底することも大切。克服すべき点を意識しながら過去問に取り組むことで、効率よく得点力をアップさせられるのです。



子どもが自信をなくしていたら?

また、12月・1月に模試を受け、その結果が予想を下回っていたため、自信をなくしてしまっている子どもも、この時期には数多くいます。自信というのはとても大切で、「自分はだめなんじゃないか」という思いにとらわれていると、ふだんはできることもできなくなってしまいます。不安な気持ちを引きずったまま本番を迎えるのがいちばんよくありません。

まずは、模試の答案を子どもと一緒に冷静に分析してみてください。結果がよくなかったのには、「遅刻しそうになって、落ち着かない気持ちで答案に向かった」「ある単元の問題がわからず、焦って考えているうちに時間切れになった」など、何らかの原因があるはずです。苦手な単元が原因なら、そこの克服に集中すればよいですし、時間配分が問題なら、志望校の過去問を使って実戦を積めば問題ありません。具体的な原因と取るべき対策がわかれば、不安は少しずつ解消されていくはずです。また、苦手単元に関しては、子どもが余裕を持って解けそうなやさしい問題を探し、それから解かせるようにするとよいでしょう。

受験直前の1か月間は、子どもが最も伸びる時期でもあります。併願校の入試での失敗をバネに集中力を高め、大幅に実力を伸ばして第一志望校に合格していく子どもも数多くいます。
勉強に関するアドバイスはできるだけ具体的にし、あとは子どもたちの伸びる力を信じて見守ってあげてください。

次回は、あと1か月の受験生活において、保護者のかたに気を配ってほしい点についてさらに述べます。


プロフィール

安田理

安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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