夏をどう過ごすかで合否が決まる 第3回 「オープンキャンパス」にも参加させたい[高校合格言コラム]

 前回は「夏期講習」についてお伝えしました。今回は、「オープンキャンパス」についてお話しします。

 「オープンキャンパス」というと、大学が高校生を対象に開いているもののように思われるかもしれませんが、このところ、私立高校の多くが受験生を対象に、授業見学・授業体験や部活動体験のできる機会を設けています。学校の生の姿、在校生の様子を知ってもらおうというわけです。普段はなかなか見学するチャンスがないでしょうから、この機会に志望校の中に入って、在校生・先生の姿を観察するといいでしょう。ぜひお子さまに参加するようすすめてください。これらの行事は予約が必要なことが一般的で、人気がある授業や部活動は、すぐに定員がいっぱいになってしまうので、早めに申し込むよう、お子さまを促してください。

 それでは、参加する場合の注意点と、参加を有意義なものにするためのポイントを挙げておきましょう。

<授業見学>

・(普段の授業を見学するのであれば)どの授業も講義スタイルで一方通行か、先生と生徒のやりとりが多い対話型の授業が行われているか。

・先生と生徒のやりとりが明るく活発に行われているか。

・(教科によるが)インプットだけでなく、書く力や発表する力を育てるアウトプットも重視する授業が行われているか。

・机に突っ伏している生徒や、教科書やノートなど教材類を開いていない生徒などがおらず、大勢が真剣に受けているか。

・カバンなどが乱雑に床に散らばっていたり、机の並び方が一直線でなかったり、生徒の服装がだらしなかったりと、教室が落ち着かない雰囲気になっていないか。


<授業体験>

・「模擬授業」という場合は、その学校内で力のある先生がそれなりの準備をして行っている場合も多いので、入学後の授業にもオープンキャンパスと同じだけの力が注がれていると、期待しすぎないことが大切。

・「おもしろ理科実験」「Enjoy Cooking! 英語も身に付くクッキー作り」「CGソフトでアニメーションを作ろう」など、普段の授業とは違う単発で楽しめる体験講座が用意されていることがよくある。こうしたものの場合は、普段の授業のレベルの判断はできないが、在校生・先生の雰囲気を感じることができる。


<部活動>

・運動部の場合は、先輩たちのレベルを体で感じることが重要。自分はレギュラーになれそうか、レギュラーになれなくてもやっていけそうか、そうしたことまで意識しながら体験する。

・上級生、下級生の関係はどうか。部活ではこれがとても大切。自分がその中でやっていけそうか、それとも嫌悪を感じるか、そうしたことも肌で感じてくる。

・文化部でも、作品のレベルや活動実績などをチェックするとよい。

・同じ名称の部であっても、学校によってその活動ぶりはまったく違う。こうした機会を利用して身体で知っておくと安心。


<その他>

・学校の中を見学している時は、生徒と先生のやりとりにも注目。先生が細かなことにも指示を出しているか、生徒が自主的にやっているか。また生徒と先生の会話の口調からも生徒と先生の間柄がわかる。そうしたところからも校風がうかがえる。

・最近は親子で参加できる催しを設けている学校も増えている。ぜひ保護者のかたも出かけて、校内の雰囲気、生徒・先生を観察したい。これから先、受験校を決める時に何よりの判断材料になる。


 このように、オープンキャンパスは学校の様子、生徒・先生の生の姿に接することができる貴重な機会です。目を、耳を働かせて、めいっぱい吸収したいものです。志望校のホームページにすぐアクセスして、オープンキャンパスがいつ開催されるのか、確認してください。
 なお、事前に申し込みが必要な高校もありますので、あらかじめ確認してください。

 次回は、夏休みに家庭で気をつけたいことについてお伝えします。


プロフィール


安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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