秋のうちに、模試の成績アップと出願校の絞り込みを[中学受験 6年生]

保護者の役割は、成長に応じてベストのタイミングで働きかけ、環境を整えていくこと。
6年生を対象に、模擬試験の取り組み方と出願校の絞り込みについて取り上げます。



■出願校最終決定に向けて、模試の戦略を立てる

10月の模試からは、そろそろ皆が勝負をかけてきます。11月の模試の結果を参考に、12月、出願校の最終決定をするかたがほとんどだからです。10月の模試は、ぜひ「偏差値60を目指す」といった具体的な目標を持って臨み、事前に昨年版の模試にも取り組んで戦略を立ててください。
10・11月に模試の成績を上げておくと、出願校の幅も広がり、気持ちに余裕が生まれます。



■「スコアを読む」意識で答案の分析を

まずは、ご家庭で時間を計って昨年度版に取り組み、時間配分や、難しいものは飛ばすといった試験のテクニックに慣れるようにしましょう。その答案を見て、保護者のかたはしっかり分析をしてあげてください。明確にすべきポイントは、以下のとおりです。

●どの教科を何点上げれば、目標に達するか
目標に達するために、必要な4教科の合計点は何点か、そこにあと何点足りないかを割り出します。苦手教科が足を引っ張っている場合は、その教科をあと何点上げればよいか明確にしましょう。

●正答率の高い問題を落としていないか
正答率の高い問題を間違えていたら、その問題を見直して丁寧に復習させ、次の模試までには確実に正解できるようにしておきましょう。反対に、正答率が30%以下の問題は、できなくてかまいません。正答率の高いものを優先して復習することが大切です。

模試の成績を、保護者のかたがしっかり分析し、目標のスコアを達成するための戦略を立ててあげると、課題がはっきりするため、子どもたちのモチベーションも上がってきます。逆に、模試の結果だけを見て感情的にほめたり叱ったりするのは、百害あって一利なしです。



■併願校の説明会には積極的に足を運んで

また、この時期から、各校で学校説明会や入試説明会が、本格的に行われ始めます。第一志望校の学校説明会は、既に行ったことがあればパスしてもよいでしょう。むしろ、併願校の説明会に積極的に足を運び、候補を絞り込んでください。以前にも申し上げたとおり、併願校はお子さまが実際に通う可能性の高い学校です。「ここに行きたい」「ここなら子どもを通わせたい」と、お子さま、保護者のかたが積極的に思える学校を見つけることが大切です。

この時期になると、併願校決定にあたり「伝統校A校と、新設校B校は、この先どちらが伸びるでしょうか」といった相談をよく受けます。一概にはいえませんが、伝統校では、特に学校案内やホームページでうたっていなくても、経験の中で培われた良質の授業が行われているケースが多く、新設校では、授業のやり方はまだ定まっていない部分も多いけれど、生徒一人ひとりを伸ばそうと一生懸命面倒を見てくれるところが多いと感じます。どちらが向いているかは、お子さまの適性次第です。

アクティブ・ラーニングの試みなどは、どの学校もまだ手探りで、先生方は熱心に模索を続けています。子どもたちがいきいきと考え、議論を深めていく「アクティブ」な授業が行われているかは、実際に授業を見てみなければわかりません。



■併願校について、家族のコンセンサスを早めにとる

併願校を決定したら、早めにご家族の中でコンセンサスをとっておきましょう。第一志望校については皆が納得していても、併願校については、ご夫婦で合意がとれていないというケースが、意外に多いのです。ご本人とお母さまはよいと思って決めた併願校なのに、実際通うことになったら、お父さまが実は納得していなかった、ということがよくあります。そうなると、つらい思いをするのはご本人です。

また、祖父母のかたなど、身近なご親戚にも早めに知らせておくほうがよいかもしれません。最近は学校の再編が進み、各校のイメージも昔と変化しています。祖父母のかたが、つい「わざわざ中学受験をして、そんな学校に?」といった不用意な発言をしてしまい、子どもがショックを受けてしまう、といった話もよく聞きます。

出願校が決まると、そろそろ子どもたちも受験モードに入ってきます。保護者のかたは、今後の課題を整理しながら、お子さまの挑戦を焦らず見守ってあげてください。


プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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