受験校を絞り込む(2)重要なのは「形」よりも「質」 [高校受験]

■公立進学重点校か? 私立特進コースか?

「進学指導重点校」など、大学進学に力を入れる公立高校に志願者が集まる一方、前回述べたとおり、特進コースを設けるなどして、難関大学への進学指導を充実させる私立高校が増えています。

どちらがよいかは志望校とご本人の適性次第だといえます。ただ、公立は本人の自主性に任せる部分が多く、私立の特進コースは、良くも悪くも結果を出すことに熱心で面倒見がよい傾向はあるかと思います。
私立特進コースの入試は特待生制度とセットになっているケースも多く、一般入試や推薦入試で合格したあと、特待生選抜にチャレンジできるところもあります。その場合、特待生選抜で不合格になっても、一般入試や推薦入試での合格は取り消されませんから、チャレンジしてみるのはよい選択です。

ただし、特待生制度を取らないと経済的に通わせられないというのであれば、お子さまに大きなプレッシャーがかかってしまうため、あまりおすすめできません。特待生選抜に合格して初年度の学費が全額免除になっても、成績が下がると翌年の特待を取り消すというところもありますので、受験前によく確認しておく必要があります。



■進学指導のカリキュラムや質を確認

大学合格実績に重点を置いた学校は、公立でも私立でも、カリキュラムがハードなことが多いのは事実です。学校によりますが、私立の特進コースでは、部活が制限されていたり、放課後や長期休暇中の講習が義務付けられていたりする場合もあります。また、時間割が一般コースとは別だったり、教室が離れていたりして、学校全体としての一体感に欠けると感じるお子さまも、中にはいるようです。時間割や補習・講習の量については、事前にきちんと確認しておきましょう。

熱心な指導のもと、競い合いながら学ぶ環境で伸びるタイプか、穏やかな空気の中でのびのびと過ごすほうが向いているかは、ご本人の性格によります。どちらにせよ、難関大学を目指すならそれなりの覚悟がいることは間違いありません。



■アクティブ・ラーニングも形より質を見て

大学入試改革の答申を受けて、従来の知識注入型の授業だけでなく、アクティブ・ラーニングを取り入れる試みが、各高校で進んでいます。学校のパンフレットやホームページで、全教室に電子黒板を設置し、全員にタブレット端末を持たせて活発な討論を行っているとアピールしている学校もあります。
しかし、これこそ実際に授業を見学しないと、本当に「アクティブ」な学びになっているかどうかはわかりません。知識のまったくないテーマについて話し合っても、討論は深まらないという問題点もありますし、多様な意見を引き出すためには先生の力量も必要です。

アクティブ・ラーニングにもさまざまな形式があり、各校でさまざまな試行錯誤がなされています。授業見学が可能であれば、その学校が学びの「形」より「質」の向上に取り組んでいるかどうかを、しっかりと見極めてください。



■受験校については、早めに家族でコンセンサスをとる

前述のとおり、公立も私立も再編や改革が進んでおり、以前は難易度の低かった学校が難関大学の合格実績を上げていたり、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)、SGH(スーパーグローバルハイスクール)の指定を受けていたりして、数多くの志願者を集めるケースが増えています。そのため、保護者のかたの世代や祖父母のかたの世代が持っていた各校のイメージとは、実態が大きくかけ離れていることがあるのです。

ですから、お子さまの受けたい学校が絞られてきたら、ぜひ早めに家族内でコンセンサスをとってください。家族の誰かが「あんな学校を受けるの?」といった不用意な発言をしてしまったら、たとえそれが誤解にしても、お子さまのやる気を著しくそぐことになりかねません。特に、入学金や学費の一部を祖父母のかたが負担するといった場合、祖父母のかたにも、その学校の長所や受験する理由を早めに説明しておく必要があります。祖父母のかたに、学校説明会等に同席してもらうのもよい方法です。実際、孫への教育資金贈与は1500万円まで非課税になるという制度が2013年に始まって以来、学校説明会で、受験生の祖父母と思われるかたを時々見かけるようになりました。

受験校が絞られてくると、過去の入試問題(過去問)に取り組むこともでき、そろそろ勉強に本腰が入るお子さまも増えてきます。お子さまたちの挑戦を、しっかりフォローしてあげてください。


プロフィール

安田理

安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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