夏休み前の学習環境を整える [中学受験 5年生]

保護者の役割は、成長に応じてベストのタイミングで働きかけ、環境を整えていくこと。5年生を対象に、夏休みに向けて準備しておくべきことについて取り上げます。



■夏休み中に志望校見学を

これまで何度かお伝えしてきましたが、5年生は、2学期から学習内容がぐっと難しくなります。解き方が複数あるもの、いくつもの単元にまたがったものなど、ひと筋縄ではいかない問題と取り組まなくてはならなくなります。5年生の後半は、学習時間がこれまでの倍くらいかかると、覚悟しておいたほうがよいでしょう。
2学期以降は、学習時間を確保すると共に、限られた時間を大切に使って、密度の濃い勉強をする必要があります。生活時間の密度を高めるには、ご本人の自覚がなにより必要です。そこで、おすすめなのが夏休み中の志望校見学です。

4年生だと、「ただ保護者に連れられてきた」感じになってしまいがちですが、5年生になると、校内の雰囲気や部活動中の先輩の様子などを観察し、「ここに入りたい」「ここは好きじゃない」など自分で判断ができるようになります。学校は実際に行ってみて、肌で感じることが大切です。そうすることで目標が具体的になり、意欲も生まれやすくなるのです。できれば、ご本人が積極的に「行きたい!」と思う第二志望校も見つけておけるとよいですね。



■夏休み明けの「要注意期間」に向けてルールづくりを

また、5年生の夏休み明けはいじめや校内暴力、学級崩壊といった問題が起こりやすい「要注意期間」でもあります。5年生になると、多くの子が思春期を迎えており、自我の芽生えと共にこうした問題が表面化しやすくなるのです。
子どもたちは、人間関係を通して成長していくものですから、問題さえ起こらなければいいというものではありませんが、お子さまやお友達の心が深く傷つくような、深刻な事態に至らないよう、対策は立てておく必要があります。人間関係の悩みがあると、それこそ勉強どころではなくなります。塾や学校の先生、お友達の保護者とは、何かあったら気軽に相談できる関係をつくっておいてください。

特に、今の時期にルールづくりをしておいていただきたいのが、携帯電話・スマートフォンの使い方です。塾通いをするにあたり、連絡用に携帯電話を持たせているかたも多いと思いますが、塾の休み時間にLINEのやり取りで孤立させる、といったいじめが、この時期、頻繁に起こるのです。また、LINEやメールのやり取りが忙しくて勉強に集中できないといったこともよくあります。
ですから、今のうちに、携帯は家との連絡以外には使わない、使う場合は「1日30分」「夜9時まで」など時間を決めるなど、使い方をルール化し、保護者のかたどうしでも話して合っておくとよいでしょう。



■元気になれるような夏休みの計画を

5年生の夏休みは、2学期の難所に向けて思考力を付けるべき大切な時期。ゆっくりとお休みを楽しめるのは、お盆前後の1週間~10日程度になると思います。その時期には、お子さまがワクワクするような楽しい旅行やおでかけを計画してあげてください。五感を刺激する生きた「体験」は、子どもたちのエネルギーの源となるでしょう。


プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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