農芸化学ってどんな学問?
世の中にはたくさんの学問があります。どんな内容で、何を学んでいくのか知っておくことは、自分の興味や関心の方向性を探れることはもちろん、進路を決めるために、大いに役立つでしょう。今回は「農芸化学」を取りあげます。
農芸化学とは?
「農芸化学」は、文字通り農業の中でも植物や農業環境を化学的な側面から研究していく学問です。農産物を生産・加工・保存・廃棄・再生というサイクルでとらえ、多くの実験を繰り返していきます。研究分野は「栽培のための土壌」「肥料や農薬」「微生物の応用」「食品の栄養分析」「食品の加工・保存」など、細かく分かれています。
農芸化学ではどんなことを勉強する?
農芸化学で行われる実験は大変複雑で難しいものがあふれています。食物と微生物を利用して新しいエネルギーを生み出す、生ゴミを発酵させて資源にする、生分解性プラスチック(微生物などによって分解され自然環境への負担が少ないプラスチック)の開発など、将来性が期待されている内容が多いのです。
将来懸念される食糧不足の問題もこの学問における大きな課題です。地球規模で人々の生活を救い、豊かにするための技術や薬品の開発がこれまで以上に求められています。
農芸化学の講義はどのように設定されているか
農芸化学の基礎にあるのは、生物と科学です。入学後は、これらの応用である有機化学、生物化学、酵素化学、分子生物学を幅広く、均一に学ぶことから始まります。
また、特色ある実験や実習が行われているのもこの学問の特徴です。普段私たちがあたりまえのように食べる食品の成分を分析したり、ある食品が持つ自然治癒力を高める効能やその可能性について研究したりと、生活に密着した部分でありながら、まったく新しい視点が必要となる講義があります。
農芸化学を学んだ人々の卒業後の進路
一般企業の場合、食品、製薬などの農芸化学系研究部門、国公立の研究機関などへの就職が多く見られます。高い技術や知識を求める企業は多く、なかには大学院修了者しか採用しない企業もあります。そのため、大学院への進学者も増える傾向にあります。
参考:
農芸化学 │ 学問・大学情報 | Benesse マナビジョン
http://manabi.benesse.ne.jp/shokugaku/learning/system/067/index.html