マララさんの国連演説

2013年、16歳のマララ・ユスフザイさんが国連で行った演説が、世界中で大きく報道されました。女性が教育を受ける権利を主張したために襲撃され、重傷を負った少女が、それでも力強く信念を持って生きる姿は、世界中の人々の心を揺さぶり、今も世界で起こる人権問題などについて考える機会を与えてくれました。それは、マララさんと年齢の近いお子さまにも当てはまることでしょう。そこで今回は、マララさんの演説を中心に、女性の人権にまつわる事柄を確認します。



クイズde基礎知識

どこの国の人?/「マララ・デー」とは?/国連の演説で何と言った?/パキスタンの女子の小学校就学率は?


時事問題を学ぶきっかけになる題材をクイズ形式でご紹介します。基本情報の整理に、親子で時事問題について話題にするきっかけに、入試・適性検査対策に、お役立てください。

Q1

マララさんはどこの国の人?


  A.アフガニスタン
  B.パキスタン
  C.アメリカ



A1 正解は 「B.パキスタン」 です。


マララ・ユスフザイさんは1997年に、パキスタン北西部のスワト地区で生まれ、女子校を経営する教育者の父のもと、教育の大切さを教えられて育ちました。学校の成績は優秀で、友達からも信頼され、将来は医者になりたいと思い描いていました。

2009年1月、マララさんが11歳の時、イスラム教過激派のタリバーンがスワト地区を支配しました。タリバーンはイスラム教の古くからの教えを厳しく守るという理由から、女性に対する教育を禁じており、スワト地区でも多くの女子校を爆破して、女子が学校に通うことを禁止してしまいます。

そんな中で、マララさんは、イギリスのBBC放送の求めに応じ、「グル・マカイ」というペンネームでBBC放送のブログに投稿を始め、自分たちの置かれた状況を訴え続けました。学校に通えないこと、登校すれば顔に硫酸をかけると脅されていること、女性が市場に通うことも禁じられていることなど。タリバーンに知られれば命の危険があるにもかかわらず、投稿を続けるマララさんの勇気ある行動は、世界中の人々に注目されました。

その後、パキスタン政府によってスワト地区のタリバーンは追放され、マララさんは再び学校に通えるようになりました。政府はマララさんの行動を讃えて実名を公表し、マララさんは積極的にテレビや新聞などの取材に応じ、タリバーンを批判して、女子教育の必要性を訴えるようになりました。

タリバーンはそんなマララさんを、「イスラムの教えに反するもので、欧米よりの教育を広めようとしている」と非難しました。そして、2012年10月、学校帰りにバスに乗り込もうとしていたマララさん(当時14歳)を銃で襲いました。マララさんは頭を撃たれ、命の危険もありました。

Aのアフガニスタンは、パキスタンと共にタリバーンが活動の拠点にしている国、Cのアメリカは、マララさんが演説を行った国連本部(ニューヨーク)がある国です。

パキスタンの位置

国連UNHCR協会Webサイトより転載
http://www.japanforunhcr.org/activities/area_pakistan/


Q2

次のうち、「マララ・デー」に当てはまるものは?


  A.マララさんがブログ投稿を始めた日
  B.マララさんが撃たれた日
  C.マララさんが国連で演説した日


A2 正解は 「C.マララさんが国連で演説した日」 です。


タリバーンに頭を撃たれ、命の危険もあったマララさんでしたが、イギリスの病院に送られ、奇跡的に命をとり留めます。そして、回復したあとは、イギリスの女子校に通うようになりました。

この事件は世界中で大きく報道され、マララさんの勇気ある行動と、女子教育を認めないタリバーンによる支配の状況が、さらに多くの人たちに知られることとなりました。マララさんも、タリバーンによって再び命を狙われる危険があるにもかかわらず、タリバーンの暴挙を訴え、女子教育の必要性と平和を訴える活動を続けました。

そんな中、国連が、マララさんの16歳の誕生日の2013年7月12日を「マララ・デー」として、世界中から約500人の若者をアメリカ・ニューヨークの国連本部に招き、マララさんの回復と誕生日を祝いました。


Q3

マララさんは国連での演説で、「1人の子ども、1人の教師、1冊の本、そして     が世界を変えられるのです」と語りました。     に入る言葉は?


  A.1本のペン
  B.1枚のパン
  C.1台の車


A3 正解は 「A.1本のペン」 です。


「マララ・デーは私の日ではありません。権利を求めて声を上げたすべての女性、すべての少年少女の日です」と語り、「テロリストによって命を奪われた人々は何千人、負傷した人々は何百万人に上ります。私はその1人にすぎません」と述べました。

そして、自らが銃撃された時のことにふれて、「テロリストたちは私たちの目的を変えさせ、私の意志をくじこうとしたのですが、私の人生で変わったことはひとつだけでした。それは、弱さや恐怖、絶望が死に絶え、その代わりに強さと力、勇気が生まれたということです」と語り、テロに屈しない姿勢を改めて訴えました。

そのうえで、「私は誰も敵だとは思っていません」と語り、「私はあらゆる子どもの教育を受ける権利を訴えているのです。タリバーンやすべてのテロリスト、過激派の子どもたちにも教育を受けてほしいと思っています」として、テロや暴力の根絶には教育が不可欠で、そのためには平和が必要だと主張しました。

そして、すべての政府に対し、全世界であらゆる子どもに無償の義務教育を与えるよう呼びかけ、「1人の子ども、1人の教師、1冊の本、そして1本のペンが、世界を変えられるのです」と語り、教育以外に解決策はないと訴えました。


Q4

マララさんの母国のパキスタンで、小学校の就学率は、男子は約81%。では、女子の小学校就学率は?(「世界子供白書2013」より)


  A.約81%
  B.約74%
  C.約67%


A4 正解は 「C.約67%」 です。


男子も女子も等しく教育を受けることは、日本に住む私たちには当然のように思われます。しかし、ユニセフの「世界子供白書2013」によると、マララさんの住むパキスタンで小学校に通える男子の割合は81%。それに対して女子は67%です。他にも、同じような状況にある国や地域が少なくありません。

この背景には、タリバーンのように宗教的な理由から女子教育を否定するなど、社会的な理解が不足していることや、地域によっては女子は10歳にならないうちに結婚する習慣があること、学校のトイレが男女別になっていないなど、女子に優しい教育環境が実現できていないことなどが挙げられます。

男女別に見たパキスタンの教育状況の男女差

若者(15~24歳)の
識字率
小学校就学率 中学校就学率
男子 女子 男子 女子 男子 女子
79% 61% 81% 67% 38% 29%

ユニセフ「世界子供白書2013」より


おすすめトピックス

子育て・教育Q&A