合格を勝ち取るために、保護者ができる5つのサポート

どれだけしっかりと受験対策に励んできた子どもでも、本番が近づくと、緊張や不安から気持ちが不安定になるもの。そんな時は、子どもにとって最も頼りになる存在の保護者が温かくサポートし、前向きな気持ちを引き出してあげたいものです。合格を勝ち取るために、保護者ができる5つのサポートについて解説します。

勉強に集中できる環境をつくる

 受験前はピリピリと気持ちが張り詰めていますから、ちょっとした物音などが気になってしまいがち。だからといって、息をひそめる必要はありませんが、きょうだいの遊び声やテレビの音などには、いつも以上に配慮してあげてください。受験1週間前など期限を設け、家族全員でテレビやゲームを控えれば、「一緒に頑張っている」という雰囲気をつくることができるでしょう。また、夜間に一人で勉強していると孤独を感じやすいものです。子どもが邪魔に感じていないようなら、時おり、「寒くない?」「頑張っているね」などと、声をかけてあげてもいいでしょう。

 

 

食事と体調の管理を徹底しましょう

 追い込みの時期に体調を崩したらペースが大きく乱れてしまいますし、もしも受験日に風邪でも引いたら、最悪、これまでの努力が水の泡……ということにもなりかねません。特に受験シーズンは、インフルエンザなどが流行する時期と重なりますから、体調管理にはくれぐれも気をつけてあげてください。

 

 体調管理の基本は、栄養バランスの良い食事を3食しっかり摂ること。特に風邪予防のために次の栄養素を十分に摂取しましょう。

 

【たんぱく質】抵抗力を高める/肉類・魚介類・卵・大豆製品・乳製品など

【ビタミンC】免疫力を高める/果物(イチゴ、みかん、柿、キウイフルーツなど)、野菜(ほうれん草、ブロッコリー、キャベツなど)

【ビタミンA】のどや鼻の粘膜を保護する/緑黄色野菜(カボチャ、ほうれん草、ニンジンなど)、レバー、うなぎなど

【亜鉛】疲労回復の促進、免疫機能を高める/魚介類(カキ、ホタテなど)、肉類(赤身)、レバー、ナッツ類など

 

 体調管理には、適度な睡眠も欠かせません。受験前は夜更かしして無理に追い込むよりも、しっかりと睡眠をとって生活リズムを崩さないようにするほうが得策です。またスポーツをして体を動かすなど、子どもの興味・関心に応じてストレスを解消する時間を持つことも心がけましょう。

 

 

前向きな気持ちになれる言葉をかける

 ナーバスになる時期ですから、保護者のちょっとした一言で気持ちが大きく左右されることもあります。できるだけ、ポジティブな気持ちになれる言葉をかけてあげましょう。性格によりますが、「頑張って」と言い過ぎると、プレッシャーに感じる子どもが少なくないようです。また子どもが受験に対する不安を口にしたら、それは勇気付けてもらいたいという気持ちの表れかもしれません。「これだけ頑張ったのだから大丈夫」「努力は必ず報われるよ」といった言葉で安心感を与えましょう。

 

 現実逃避の気持ちから、机に向かうのを嫌がる素振りを見せることもあります。そんな時に「早く勉強しなさい」と急かしたり、「このままでは受からないよ」と不安をあおったりするのはNG。反発心を招き、逆効果になることがよくあります。「今は辛い時期だけど、これを乗り越えたら楽になるよ」「たまには息抜きも必要だよ」などと、まず子どもの置かれている状況を一緒に受け止めてからアドバイスをしましょう。「部活でもきつい練習があったからこそ勝てたよね」などと、過去の成功体験と結びつけてあげてもいいでしょう。

 

 

特別扱いをし過ぎない

 受験生に対する細やかな配慮は必要ですが、あまり特別扱いをするのも考えもの。そういう状態に慣れてしまうと、こんどは特別扱いをされない場面でストレスを感じてしまいます。それに、そもそも受験は、本人のためのもの。特別扱いの度が過ぎると、「(親のために)頑張ってあげている」といった勘違いを生んでしまうこともあります。必要なサポートをしつつ、家族の会話が受験に関することだけにならないように気をつけて、できるだけ普段通りの生活を維持することが、受験生にとっては息抜きにもなります。

 

 

子どもの力を信じて温かく見守って

 受験本番が近づくと、子どもだけではなく、保護者の気持ちも落ち着かなくなるもの。だからといって、焦りや不安の気持ちを外に出したら、それが子どもに伝わってしまいかねません。あれこれと細かく指示をしたり、マイナス思考の言葉を口にしたりせず、どっしりと余裕のある態度を見せ、子どもの気持ちを落ち着かせてあげたいものです。保護者が代わりにテストを受けてあげることはできないのですから、最後は子どもの力を信じて、温かく見守ってあげてください。


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