入試期間中はこんなことを心がけて 「過去問」についてもサポートを[高校受験]
■答案のクセを発見し修正を
受験勉強もおおずめになり、最後の仕上げとして志望校の過去問を利用して勉強しているお子さまも多いのではないでしょうか。受験勉強には欠かせない過去問への取り組み方と保護者のサポートの仕方をご紹介いたします。
■採点は保護者が
この時期の勉強は志望校の「過去問」をやることが中心になります。「過去問」練習というと、お子さまに任せっきりというご家庭が多いと思いますが、ここでも保護者がサポートできることがあります。
ご家庭では採点はどうしているでしょうか。お子さま任せですか、保護者ですか。
お子さまに任せていた場合、こんな事例があります。「答え合わせを子どもがやっていたら、採点が甘くなっていた」、「解説を十分に理解しないままで済ませていた」……こんなケースが実際は多いのです。
ある国語担当の先生は、「近年、漢字が正しく書けない受験生がめだってきた我が校ではトメ・ハネ・ハライを正しく書いていないと減点します」「記述式の答え方で、理由を問われている場合は、文末が『…なので』『…だから』と答えていないと減点しています」など、採点していると気になることが非常に多いといいます。
「過去問」を解くということは、知識を増やす、実戦的な力を磨くことだけでなく、普段気が付かないクセ(設問の読み取りの間違い、字数制限のミス、漢字指定の見落し、単位の付け忘れ……)を正すチャンスでもあります。字がうまい、下手ではなく、採点者が見やすい答案づくりも入試のうち。できるだけ保護者が採点し、減点につながりそうなクセは正してあげてください。これまでの模擬試験の答案を見直してみることも、クセの発見に役立ちます。
採点結果についてはお子さまと話し合ってください。ただこの場合注意していただきたいのは、この時期になるとどうしても「こんなつまらない間違いをしてどうしようもないわね」「こんなこともできないなんて、今まで何を勉強してきたの」という叱責(しっせき)が多くなりがちだということです。こういう発言ばかりだと、本番に向けての本人の気持ちが落ち込みます。注意したいことばかりかもしれませんが、ここはご自分の気持ちはグッと抑えて、「この問題、よくできたじゃない」「惜しかったわね、ここで減点されていなければ合格点よ」といった、お子さまが明るい気持ちになる部分を混ぜることです。こんな点が保護者の腕の見せどころと考えてください。
■問題を見極める判断力を付ける
入試問題というのは同じ難易度の問題が多数並んでいるわけではありません。誰もが正答できる正答率90%以上という問題もあれば、ほとんどの受験生が誤答ないし無答という正答率10%以下という問題もあります。また、時間がかかる問題もあれば、即答できる問題もあります。
「過去問題集」に載っている正答率のデータをもとに、どの手の問題にまず取りかかるか、どの手の問題には手を出さないか、そうした判断力も一緒にやりながら身に付けさせたいものです。時間に制限のある本番ではこうした時間マネジメント力が大きくものをいいます。
制限時間については、保護者がきちんと対応しましょう。また、志望校の検査の時間割を調べ(募集要項、受験票などに出ています)、「過去問」の練習も本番の教科順にするようにするなど、工夫してあげてください。そして、やりっ放しにせず、できなかった問題は解説を読んで理解するようにすると、これからでも得点力は十分アップします。