入試期間中はこんなことを心がけて 愚直な努力はやめさせないで[高校受験]

今の努力は将来につながる

2月に入ってもご家庭によって入試までの状況はマチマチのことでしょう。ですので、受験するお子さま、ご家庭の様子に合わせて読んでいただければと思います。今回はその前に、この原稿を書いている正月明けに、私が保護者のかたにお伝えしたいと思ったことを1つだけ付け加えさせていただきます。


■経験が自分の個性になることも

安田教育研究所を設立する前、私は長い間、ある出版社で編集者をしていました。そのうち20代後半から30代後半にかけては中学生向けの学年誌の編集にあたっていました。学年誌では毎年4月号は創刊号のように1年の中で一番の目玉になるような内容に仕上げるもので、その内容を決める企画会議が1月にあります。学習・進学だけでなく、いじめ・時事・音楽・アイドル・科学・性……それこそ何でも扱う総合誌でした。当然、企画もいろいろなジャンルのものが求められます。1年中で一番大事な企画会議を控えているので、正月といっても常に企画会議のことがアタマにあり、そのプレッシャーから解放されない日々でした。


企画のヒントを探すために、毎年元旦には、全国紙5紙のほか東京新聞・神奈川新聞の2紙の計7紙を購入。最寄りの私鉄駅の売店では全部はそろわないので、JRの駅まで出向いて手に入れていました。当時は景気もよく、各紙とも第6部くらいまであったのでかなりな分量になり、持ち帰るのに苦労した記憶があります。三が日はひたすら7紙のいろんな記事に目を通す日々でした。毎年愚直にこうした正月を繰り返していました。
今は、ここに書いているように子育てや受験という限られた分野の仕事をしていますが、若いころにこうして幅広い分野に接していたことは、今の自分の仕事上の個性になっているように思います。また、愚直な努力を10年以上も続けたという資質が、60代でもハードワークをこなせることにつながっているように感じます。

■長いスパンで見てあげる

保護者のかたとしては、お子さまが何ら益にもならない、将来にもつながらないようなことをしていると、イライラしたり、焦ったりするかもしれません。が、それが愚直な努力である場合、見逃していただきたいのです。長いスパンでは、それはきっとお子さまの財産になると思うのです。


プロフィール


安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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