フィールドワークが大切 いも掘りが社会科を得意にする秘策に?

フィールドワークが大切 いも掘りが社会科を得意にする秘策に?社会科では、まず自分が住んでいる町など、身近な地域について学ぶことから始まり、徐々に都道府県、地方、日本、世界と視野を広げていく。ところが、今は核家族も多く、親戚や地域のつながりも薄いケースが多いため、子どもたちは、なかなか自分と社会との関わりを実感できない。それではどうすれば苦手意識がなくなるのか、森上教育研究所の森上展安氏に伺った。

 

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時間に余裕のある4年生のあいだに、ご家庭で地域社会とお子さまとの橋渡しをしてあげてください。たとえば「お祭り」は、社会について身をもって学べる絶好のチャンスです。お祭りの由来となっている言い伝えや歴史が身近なものになりますし、時代行列やお神楽など、昔の衣装や道具などにふれる機会もあります。できれば、観光客として見るだけでなく、保護者のかたと一緒に、準備や運営に参加できるといいですね。

 

また、町内会の活動や選挙なども、社会にふれるよい機会となります。今、この町ではどんな人が活躍していて、どんな人がどんな問題で困っているのか、昔は繁栄していたけれど、今は衰退してしまった産業のこと、町の特産物はどのように作られて、どんなルートで運ばれ、どこで売られているかなど、地域社会には、地理、歴史、公民のさまざまな要素が混ざり合って存在します。

 

地理の食わず嫌いをなくすためには、実際に行ってみる、自分の目で見る、そして「食べる」などの実体験が効果的です。たとえば、埼玉県の特産物として、川越のさつまいもがあります。元禄(げんろく)時代、川越いもの栽培が行われ、川越街道や水運を通じて江戸との交易が盛んになったことを、教科書で学んでもなかなか頭に入りませんが、実際にそこでいも掘りをすれば、知識がひとつながりの体験として一気に身に付きやすくなります。全国の都道府県について学ぶのも、「旅行に行ったことがある」「親戚や友達が住んでいる」都道府県は覚えやすいけれど、なじみのないところはなかなか覚えられません。都道府県をパズルやクイズ形式で覚えるのもよいでしょう。

 

出典:社会のニガテ、どう克服する?[中学受験 4年生] -ベネッセ教育情報サイト

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