中学受験、過去問演習の目的と対策は?
模擬試験などでは点数がとれるのに、志望校の過去問をやると点数がとれない、語彙(ごい)も少なく読書をする時間もない、と悩む小6男子の保護者の悩みに、平山入試研究所の小泉浩明氏がアドバイスを送る。
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【保護者からの質問】
漢字をしっかり勉強しており、模試の成績もまずまずなのですが、過去問では点数がとれません。また、語彙が少ないので苦労していますが、読書の時間もあまりとれません。どうしたらよいのか悩んでいます。(小6男子の母親)
【小泉氏からのアドバイス】
模試の成績は悪くないのに、過去問で点数がとれないケースはよくあります。志望校の問題構成や質問形式に慣れていないということが大きいでしょう。模擬試験は標準的な問題を出題しますが、各学校が出題する問題にはそれぞれの個性が顕著な場合が少なくないからです。
たとえば、物語文だけの場合や逆に説明的文章が2つの問題構成の学校もあります。今まで読んだことのないようなテーマの文章を頻繁に出題する学校もあるでしょう。また、知識問題が全体の3分の1を占めていることもあれば、ほとんど記述問題しか出題しない場合もあります。さらには、記述問題で「自分の言葉で書きなさい」というような条件を出す学校もあります。
過去問演習で点数を上げていくには、志望校の出題傾向を把握することが何よりも重要。そのうえで、点数をとれない原因、すなわち弱点を見つけて、それらを克服していくことが大切なのです。「なぜ点数がとれないのか?」「点数をとるにはどうしたらよいのか?」を考え、何らかの対策を講じることが、過去問演習の目的ともいえます。志望校の傾向をとらえ、自分の弱点を克服していくことで、点数を伸ばすことが可能になります。
入試までの期間、試験を受けて合格証書をその手につかむまで、最後の最後まであきらめずに、しっかり勉強していきましょう。