子どもと過ごす夏 努力は得意です[高校受験]
■努力は得意です
7月の日曜日のことです。「医学部進学フェスタ2014」というイベントが、千葉の亀田総合病院で行われました。都心から2時間もかかる鴨川という場所にありながら、全国から1日に3,000名もの外来患者がやってくるという話題の病院です。病院長や、慶応義塾大学の医学部長の講演のほか、医学部生4名によるトークセッションがあり、私がそのトークセッションの司会を担当しました。
医学部生は、東京大学、慶応義塾大学2名、東京慈恵会医科大学です。1人は小学校のころから医師になると決めていたそうですが、あとの3人は高校1年、高校2年くらいで医学部受験を決めたそうです。全員が、高校2年くらいからは毎日長時間猛烈に勉強したということです。
■東大生を観察していると、「努力は得意です」
これは、つい最近読んだ『東大教授』(沖 大幹著 新潮新書)にある一文です。医学部生の勉強に対する姿勢を聞いていて、この「努力は得意です」の言葉がよみがえってきて、なるほどと感じさせられました。
さらに気付いたことは、彼らと保護者との関係が非常に良好であることです。4人のうち、1人は両親とも医師で、両親の働いている姿を見て、自然と自分も医師を志したと言います。また、1人は母親が看護師で、家に帰ってくるとよくその日のオペ(手術)の話をしてくれたそうです。自分が医学部を受験したのも、その影響があったと言います。さらにもう1人は、父親からこれから生きていくには何らかの国家資格を取得しておいたほうがいいとアドバイスされ、それなら医者がいいかと考えたそうです。
高校受験生活を通じて、「努力することの大切さ」をお子さまには伝えていただきたいと思います。そのためには、親子がきちんと向き合えること、そして大人の視点からのアドバイスを子どもが素直に聞き入れられる関係であることが必要です。我が家は私と子どもとの関係がうまくいっておらず、大学受験の時も、就職の時も何ひとつ、子どもから親である私に相談はありませんでした。そのため、息子は大人のアドバイス(社会の評価軸)といったものを無視して進路を決めてしまい、結局はうまくいかず、3年で退職してしまいました。自分がこのような感じでしたから、今回の医学部生たちの話を聞いて、親子関係はとても大切だと、改めて感じました。
皆さんも、ぜひお子さまと話し合える関係を作っていただき、学校選びなどでも大人の視点からアドバイスをしてあげていただきたいと思います。