「しぶしぶベッド」ってどんなベッド? 高校受験生の語彙力をアップさせる夏休み
受験勉強といえば、机で問題集に向かうことをイメージしがちだが、最近の入試問題には、身の回りのものへの観察力、社会への関心度、社会常識などを問うものが増えているという。「普段の生活のしかたが入試につながる」という安田教育研究所の安田理氏に詳しく伺った。
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●入試では生活が問われる
ある塾の先生に聞いた話ですが、国語の文章読解問題の「武夫はしかたなくしぶしぶベッドに向かった」という文章を読んで、生徒の1人が質問したそうです。
「しぶしぶベッドって、どんなベッドですか?」
いま、文章を読解するためのなる生徒の語彙(ごい)が足りておらず、高校入試では、あえてその部分を問うことが多くなってきています。
夏休みは普段よりお子さまと接する時間が多いと思いますから、親子での会話を増やしてください。その時に、あえて慣用句、故事成語などを盛り込んでください。大人にとっては当たり前の語句がお子さまにわからないのは、大人の会話を耳にする機会が激減しているのです。ですからお子さまの語彙が増えないのもやむを得ない環境なのです。ですが、このままでは、本を読んでも新聞を読んでもわからない言葉だらけになります。この夏は意図的に(保護者のかた自身も背伸びしてでも)難しい言い回しをしてみてください。
お子さまが中学1・2年生なら、お子さまだけで祖父母のかたを訪問させてみてはいかがでしょう。年配のかたが暮らす家の家具、生活習慣や会話が、お子さまの語彙を増やし、視野も広げてくれます。なお、前もって、古いものを見せたり、古い言い回しをしたりしてくれるよう頼んでおくのもよいでしょう。今の日本では、年配のかたほど、きちんとした日本語を使っている傾向があるようです。そうした点からも、祖父母のかたの家に泊まりがけで出かけさせることをおすすめします。