謙譲語と尊敬語の違いは? 短期間でマスターするコツを中学受験のプロが指南
大人にとっても難しい敬語の使い方。謙譲語と尊敬語が混乱してしまうという小3男子の母親の悩みに、平山入試研究所の小泉浩明氏が勉強法をアドバイスする。
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【質問】
敬語の理解があまりできていません。謙譲語と尊敬語がごちゃごちゃになって混乱しているようです。
(小3男子の母親)
【小泉氏からのアドバイス】
子どもが年長者と話す機会が少なくなり、日常的に敬語を使用する機会が減っています。まずは敬語と謙譲語の意味をしっかり捉える必要があります。
尊敬語……相手や話題の人を尊重しているという気持ちを表す場合に使う敬語
謙譲語……へりくだって自分を表現することで、相手を敬う場合に使う敬語
相手Aと自分Bが同じ位置にいて対等な場合は敬語を使う必要はありません。尊敬語を使う場合は、相手Aが自分Bのレベルより上にいます。謙譲語を使う場合は、自分Bがレベルより下にいる状態です。
意味が分かったら、それぞれの言葉について具体的に学んでいきます。大切なことは、最初からすべて覚えようとしないで、よく使われる言葉を覚えてしまうことです。たとえば、「行く」「来る」「見る」「食べる」「言う」「する」の6つの言葉は試験にもよく出ますし、日常的にもよく使う言葉です。まずはそれらの言葉について、「見る(普通語)-見ます(丁寧語)-ご覧になる(尊敬語)-拝見する(謙譲語)」という具合に覚えてしまいましょう。
ただし、一覧を暗記するだけではなかなか定着しません。敬語の問題演習を行ったり、日常の会話で使ったりしてください。敬語に限らず、文法を苦手としているお子さんは、「範囲を限定する」「使って覚える」という2つの手法で、不得意を得意に変えていきましょう。