「合同相談会」の上手な活かし方 第3回 会場ではどう行動するか(2)[高校合格言コラム]

会場ではどう行動するか(2)

 前回は、合同相談会での、おもに学校別のブースを中心にお話ししました。今回は、その他の重要事項についてお伝えします。

●知らなかった学校の「発見」
 せっかくの機会ですから、事前にチェックした学校だけで終わらせるのではなく、それ以外の学校も見てみたいものです。そこで、予定していた学校が終わったら、ざっと会場全体を歩いてみます。長い行列ができている学校、掲示やパンフレットが目をひく学校、先生の印象に好感を持てる学校、ブースで話を聞いている保護者・中学生の感じがいい学校……そうした気になる学校を探し出しましょう。その際、校名のところに、男子校・女子校・共学校別のマークがついていますから、お子さまに関係のない学校、つまり男の子なら女子校、女の子なら男子校は除外します。

 長い列ができているブースに並ぶのは、時間がもったいないですが、気になる学校で空いているところがあったら、予備知識がなくても遠慮なく訪ねましょう。いすに座っている先生以外に、立って案内している先生もいるケースが多いので、まずその先生に所在地と最寄り駅を聞きます。そのうえで、通えそうもないところだったら、辞退すればいいのです。

 通えそうでも、知らない学校なので何を聞いていいかわからなかったら、正直に「この会場で初めて知ったので、まだ何もわかりません。初歩的なことから教えていただきたいのですが……」と申し出れば、その学校の概略を話してくれます。話を聞いて興味がわいたら、学校で開かれる「学校説明会」の日程を聞いて、訪ねればいいでしょう。

 長蛇の列に長時間並んで貴重な時間を費やすよりは、他の学校のブースを訪ねたほうがいいと思います。列ができるような人気校については、「合同相談会」の場で相談するのではなく、「学校説明会」に行くようにすればいいのです。

●「ミニ説明会」や講演は聞いておきたい
 学校が集まって開く小規模の「合同相談会」では、参加校による「ミニ説明会」があることがあります。同じ椅子に座って、各校の説明を通して聞くと学校の違いがよく見えるものです。受けるつもりがない学校でも聞いていると、学校の多様性がよくわかったりして、お子さまが受ける予定の学校がどこに特徴があるのか間接的に気付いたりします。

 話をする先生の話す内容やキャラクターから、堅い学校か、柔軟な学校かを想像できたりもします。ですから、時間があるならこうした「ミニ説明会」をのぞいてみてはどうでしょう。講演も、会場入り口に、時間と共にテーマが掲示されているでしょうから、関心があるテーマだったら聞いてみることをおすすめします。

●家族で出かける
 本人と保護者では、学校のどこに関心があるか、まったく違うことがよくありますが、実は保護者の間でも、父親と母親で気になる点が異なることがあります。一緒に歩いても目に入るものが違ったり、先生の説明で記憶に残っていることが違ったりします。片方だと気が付かないこと、評価する部分が違うことがあるので、可能ならば保護者の方がそろって足を運ぶことをおすすめします。

 また最近は、孫の数が少ないので、祖父母のかたは、昔のイメージのまま学校を判断することがあり、受験校を決める12月にトラブルになるケースがよくあります(孫の教育資金を、貯めているという背景もあるようです)。祖父母のかたは、昔のイメージのまま学校を判断するので、受験校を決める12月にトラブルになるケースがよくあります。そのようなことが起きないよう、早いうちから祖父母のかたにも最近の学校事情を知ってもらう必要があります。最近の学校事情を知ってもらう必要があります。「合同相談会」は、最近の様子を知ってもらう絶好の機会でもあります。

 次回は、お子さまを巡る現代の受験事情についてお話しします。


プロフィール


安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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