教育、激動の時代 お子さんに関係することは…… 入試に外部試験の成績を活用[高校受験]
■入試に外部試験の成績を活用
今回は、入試への外部試験の導入についてお伝えします。■大阪府 2017年度から入試で外部模試の成績を活用
まだ先の話ですが、大阪府では2017年春の入試から、TOEFL®(トーフル)テストや英語検定試験の成績を入試に活用する方針を決めています。独自の基準で、TOEFL®などの結果を換算し、入試の英語の得点と比べて高いほうを採用するとしています。
国際的に通用する英語力を持つ生徒を入試で高く評価することがねらいで、活用するのは、「読む・書く・聞く・話す」という英語の4技能を測る検定が対象となり、TOEFL®、英検、英国で主に使われているIELTS(アイエルツ)の3種類。換算基準は英語教育の専門家らが作成し、大学生レベルの英検準1級、TOEFL® iBT60点、IELTSレベル6を、入試で100点に換算するとしています。
公立高校入試でのこうした活用例は大阪府が初めてですが、今後他の都道府県にも広がる可能性があります。
■大学入試では急速に広がっています
大学入試改革の論議の中で、外部試験の結果を活用する案が議題に上っていますが、ここへきて国立大学でも実際に活用することを表明する大学が出てきています。
■筑波大学
筑波大学は、早ければ2016年度一般入試から、英語の「読む・聞く・話す・書く」という4つの力を測る外部テストの成績を選考材料に利用すると発表しています。今後、各学群(学部に相当)で利用方法などを検討します。筑波大学は教育・研究のグローバル化に対応するため、「話す」も含めた英語力が不可欠として、「高校生に英語の4技能を勉強してきてほしい」と話しています。利用する外部テストとしては、「TOEFL®」や、日本英語検定協会と上智大学が共同開発している「TEAP®」、ベネッセコーポレーションが開発中の「GTEC CBT®」などが候補に挙がっています。
■東京海洋大学
東京海洋大学は海洋科学部の2016年度入試から、「TOEFL®」テストなど外部の英語能力テストで一定以上の成績を取ることを出願条件にすると発表しました。一般入試だけでなく、推薦やAOなどすべての入試を対象とするとしています。基準スコアは一般入試の場合、TOEFL®は435点以上、TOEIC®は400点以上、英検は準2級以上など。2016、2017年度入試は経過措置として、大学入試センター試験の英語で、筆記とリスニングの合計が175点以上あれば出願できます。ただし、今回の変更は海洋科学部のみで海洋工学部は対象外です。
このほかの大学でも、長崎大学に新設される多文化社会学部で、受験生がTOEFL®テストなどの成績で同大指定の基準点を超えていれば、大学入試センター試験の外国語得点を満点とする仕組みを導入します。
このほかの私立大学でも外部試験の1つ「TEAP®」(日本英語検定協会と上智大学が共同開発)を活用する大学が出てきています。
- ■上智大学 全学部全学科
- ■立教大学 異文化コミュニケーション学部異文化コミュニケーション学科、経済学部経営学科、国際経営学科
以上のように、ここへきて急に、高校・大学とも「使える英語力」を求めるようになっています。ですから、普段のお子さんの勉強もテキストをこなすだけでなく、こうした方向を意識したものにしていただきたいと思います。