人気上昇中の都立高入試を振り返る! 専門家「注目は戸山高校」
平成26年度都立高校入試の最終応募者数、受験者数などのデータが公表された。今年、都立高校の受験生は最終的にどんな選択をし、どんな結果を得たのだろうか。ベネッセコーポレーション進研ゼミ高校受験総合情報センター長の浅野剛氏が解説する。
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今回は、大学進学対策の取り組みという観点から、東京都教育委員会が「進学指導重点校」に指定している7校(日比谷・青山・戸山・西・八王子東・立川・国立)を中心に解説していきます。
まず注目は、戸山高校。特に女子の志望者が、志望予定調査(12月調査、1月上旬公表)の段階から増えています。戸山高校は2004(平成16)年、都立高校として初めてSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の指定を受け、さらに18(同20)年度までの指定が決定。その教育活動の成果はもちろんのこと、1クラス分の定員増が追い風になったと考えられます。
同じく定員1クラス増の国立高校は、一般入試で女子の受験者が減となりました。昨年は男女ともに1.8倍を超える高倍率であったため、今年は少し落ち着いたといえます。
立川高校は、難関国立大学の実績増などを背景に、男女ともに志望者が増え、特に男子の実質倍率が1.72と非常に高くなりました。
日比谷高校は、志望予定調査の段階では男子の志望者数が増えていましたが、最終応募、受験者数が男女ともに減り、特に女子の受験率が下がっています。都立一般入試の2月24日までに国公立や私立校に進学を決めた生徒が、例年より多かったと考えられます。
ちなみに、今年は東京学芸大附属、筑波大附属、筑波大附属駒場、お茶の水女子大附属などの国立高校が堅調で、早慶を除くと、私立大学附属高校への志望は減少傾向にあります。国公立大学への志向が、都立入試にも影響を与えているのかもしれません。
青山高校、西高校はほぼ昨年並み。八王子東高校は志望者が微増しています。