登場人物の心情問題が苦手な小5男子。3つの原因を受験のプロが指摘
物語文の登場人物の心情の変化や、傍線部の意図を推測するのが苦手な小5男子。自分の考えにこだわってしまっているのでは、と悩む保護者からの相談に、平山入試研究所の小泉浩明氏がアドバイスする。
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【質問】
物語文の登場人物の心情が変化していく様子や、傍線部の意図を推測することが苦手です。「この表現からはこのように」という一般的な考え方ができず、自分の意見や考えにこだわってしまうため、そこから抜け出せないようです。(小5男子の母親)
【小泉氏からのアドバイス】
原因としては、以下の3つが考えられます。
1. 論理的に考えていない
原則は、問題文中のある箇所を根拠に登場人物の心情表現を考えることです。しかし、何の根拠もなく、雰囲気で解答している可能性があります。「自分の意見や考え」が本文のどこを根拠に出てきたのかお子さんに示してもらい、そこで(あるいはそこだけで)よいのかをチェックしましょう。根拠がない場合、論理的に根拠を持って考えるように指導してください。
2. 論理的に考える方法に誤りがある
よくある誤りとしては、登場人物の心情を考える問題で、傍線部のところだけを考えてしまっている例です。「言葉は文脈によって決まる」とよくいわれますが、心情表現もまさに文脈によって決まります。お子さまが文脈を考えずに傍線部だけで心情を推測しているようであれば、正しく心情を推測する流れに乗れないのは当然といえます。心情を正しく理解するには、「文脈で考える」ということを教えましょう。
3. 行動や言葉が示すであろう心情そのものを「知識」として持っていない
たとえば、登場人物が「頭をかいた」なら、文脈にもよりますが「恥ずかしい」気持ちの表れと考えられます。この一対一の対応を知識として知らないのなら、一つひとつ教える必要があります。
お子さまの心情表現の苦手な原因が3つのうちのどれかをチェックし、対策を講じてください。