「はやぶさ」をきっかけに、宇宙開発と自分の夢について考える

日本が打ち上げた小惑星探査機「はやぶさ」が、トラブルを乗り越えて、2010年6月に地球に戻ってきました。世界で初めて月よりも遠い天体から物質を持ち帰ってきたという快挙は、日本を元気付けてくれるニュースでした。宇宙はお子さまが夢を抱きやすいテーマでもあります。そこで、今回はこの「はやぶさ」をきっかけに、日本の宇宙開発と、それに関連して「自分の夢」を追求することについても考えてみましょう。


クイズde基礎知識

時事問題を学ぶきっかけになる題材をクイズ形式でご紹介します。基本情報の整理に、親子で時事問題について話題にするきっかけに、適性検査対策に、お役立てください。

小惑星「イトカワ」は宇宙のどこにある? 「はやぶさ2号」の目的は?


Q1

「はやぶさ」が訪れた小惑星「イトカワ」の軌道は、主に宇宙のどこにある?


A. 水星と金星の軌道の間
B. 地球と火星の軌道の間
C. 木星と土星の軌道の間


A1 正解は 「B. 地球と火星の間」 です。

「イトカワ」は主に地球と火星の軌道の間を通り、太陽の周りを回っている小惑星です。「日本のロケット開発の父」と呼ばれる故・糸川英夫氏の名前にちなんで名付けられました。日本の小惑星探査機「はやぶさ」は2003年に打ち上げられ、2005年に「イトカワ」に到達。エンジン異常などのトラブルがありながらも、「イトカワ」の表面を詳しく観測した後、2009年に「イトカワ」を飛び立ち、地球に戻り、2010年6月13日、オーストラリアに帰還カプセルが着陸しました。
その後、カプセルの中にあったとても細かい粒が、「イトカワ」の表面で採取したものであると確認されました。月以外の天体から探査機が戻ってきたのも、そこにある物質を持ち帰ったのも、世界初の快挙です。


Q2

2014年に打ち上げ予定の「はやぶさ2号」の目的は?


A. 「イトカワ」とは違うタイプの小惑星から物質を持ち帰る
B. 太陽のようすを調べる
C. 日本の宇宙開発基地になる


A2 正解は 「A. 『イトカワ』とは違うタイプの小惑星から物質を持ち帰る」 です。

「はやぶさ2号」も、「はやぶさ」と同じ小惑星探査機ですが、「イトカワ」とは違うタイプの、有機物や水を含む鉱物がより多くあると考えられる小惑星を目指します。その小惑星から物質を持ち帰り、地球上の生命との関係などを調べる予定です。Bの「太陽のようすを調べる」は太陽観測衛星「ひので」、Cの「日本の宇宙開発基地になる」は国際宇宙ステーション「きぼう」のミッションです。


Q3

2010年に日本が打ち上げた「IKAROS(イカロス)」の別名は?


A. 宇宙戦艦
B. 宇宙ヨット
C. 宇宙客船


A3 正解は 「B. 宇宙ヨット」 です。

「IKAROS(イカロス)」は、太陽の光を受けて進む帆「ソーラーセイル」と、薄い膜の太陽電池で発電する「電力セイル」の技術の実証を目的とした「小型ソーラー電力セイル実証機」で、ヨットのように帆を広げることから「宇宙ヨット」という別名を持っています。2010年に打ち上げられ、ソーラーセイルによる航行や薄い膜の太陽電池での発電に世界で初めて成功しました。この技術は、この後10年以内の打ち上げが計画されている木星探査機に生かされます。


Q4

2010年にスペースシャトル「ディスカバリー」に乗って宇宙に向かった山崎直子さんが、宇宙飛行士になろうと思ったきっかけは?


A. 中学で天文部に入ったこと
B. 父親が宇宙飛行士だったこと
C. 宇宙飛行士が亡くなった事故を見て


A4 正解は 「C. 宇宙飛行士が亡くなった事故を見て」 です。

1986年、山崎さんが中学生の時、スペースシャトル「チャレンジャー」が打ち上げ後に爆発し、乗っていた宇宙飛行士が全員亡くなるという事故がありました。山崎さんはそれを見て以来、亡くなった宇宙飛行士の意思を引き継ぎ、多くの人に宇宙の素晴らしさを教えたいと思うようになったそうです。



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