センター試験に向け、受験生が秋から意識すべきポイントを専門家が指南
センター試験本番まであと数か月。前年度のセンター試験の結果と今年度の志望動向をもとに、受験生が意識すべきこれからの学習や、志望校の決定において気をつけたいポイントを、ベネッセ教育総合研究所・主任研究員の村山和生氏に聞いた。
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2013(平成25)年度は、人口の微増により大学入試の倍率や難易度がやや上昇しました。また、センター入試の平均点が前年度と比べて大きくダウンしたことなどから、本来志望していた大学よりも難易度の低い大学に出願を切り替える「安全志向」の受験生が多く見られました。
今年も、1学期の模擬試験の動向では、いわゆる難関大といわれる大学への志望度合いが比較的落ち着いており、安全志向が継続しています。今年度は18歳人口が減少しますので、受験人口は間違いなく減少します。単純に考えればライバルの数が減るわけですし、入試が極端に難しくなる要因はありません。今の高3生が弱気になりすぎているのは、気になるところです。
今年の受験生が安全志向になっている理由の一つが、教育課程の移行です。今年の高校3年生は現行の教育課程で学習している最後の学年。現在の2年生は理科と数学を先行実施、1年生は全教科新課程となっています。そのため「今年受かっておかないと不利になるから、とにかく現役合格を!」という思考が一部に見られますが、これは過剰反応です。現役合格にこだわり、目標を下げてしまうのはもったいないというのが正直なところです。
昨年のセンター試験の平均点が前年に比べて大きく下がった理由の一つに、時間配分のミスが挙げられます。読み慣れていない素材文にてこずり、解くのに時間がかかった学生が多かったようです。そこで、秋口からの学習に生かしてほしいのは、時間配分を意識して過去問題や演習問題を解くこと。そして、過去問題だけにとらわれずに、できる限り多様な素材、違う解法が求められるものに多く触れることです。基礎固めを終えた秋以降の学習では、問題傾向が変わっても対処できる能力を、ぜひ身に付けてください。