「国語のすべてが苦手で困った」と嘆く小3男子の母親に、受験の専門家は?
漢字・指示語・熟語・ことわざ・慣用句……。とにかく国語のすべてが苦手という、大ざっぱな性格の小3男子を持つ保護者の悩みに、平山入試研究所の小泉浩明氏が、アドバイスする。
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【質問】
国語がとにかくすべて苦手です。漢字が丁寧に書けません。文章を読む時も、指示語がわからなくなるようです。選択肢は、いったん合っていると思えば、他の選択肢を熟読せずに選びます。修飾語や体言止め等の文法も理解していません。四字熟語・ことわざ・慣用句などもあやふやです。
問題を解かせ、まちがえたら説明し、その問題は後日再度解かせていますが、前回と同じようにまちがえることが多いです。(小3男子の母親)
【小泉氏からのアドバイス】
恐らく、学習内容の定着度合いが低く、効率の悪い学習に陥っていると思われます。解決方法としては、学習内容に優先順位を付けて一つひとつ確実にこなしていくことです。優先順位は、(1)語彙(ごい)>(2)読解>(3)解法です。まずは、国語の基礎となる漢字の書き取りや熟語、慣用句、ことわざなどを習得。次に、文章をしっかり読み内容を理解できるようにして、最後に、選択肢問題や記述問題などが解けるよう、指導します。基礎ができていなければ、いくら上に積み上げても崩れます。ここはじっくりと基礎力や読解力を構築することに力を注ぐべきです。
基礎的な学習は長時間ではなく、漢字の勉強であれば、1日20分、毎日やりましょう。読みは音読がおススメです。音読することで、言葉と言葉や文と文の関係が自然と身に付きます。また、問題集をやる際に気を付けたいのは、じっくりと「考える学習」を行うことです。間違った個所も、自分の頭で「考えさせる」ことを意識しながら解説します。子どもが「わかった」と言ったら、今度は本人に説明させてみましょう。
このような勉強法はかなりの時間がかかりますが、まずは3~4カ月やってみてください。その過程で、些細なことでも成果が出てきたらほめてあげましょう。この時期にほめて励ますことは、保護者の大切な役目だと思います。問題を次から次へとやらせるのではなく、「焦らず・たゆまず」が最善の学習方法なのです。