「学歴だけでは不安」な保護者。学校に求める「教育」の変化とは

「学歴だけでは不安」な保護者。学校に求める「教育」の変化とは近年の中学受験では、大学だけではなく将来の職業をも意識した志望校の選定を行う傾向が表れているという。中学受験生とその保護者は、将来のことをどれだけ考えているのだろうか? ある中高一貫校が実施した保護者へのアンケートデータを元に、森上教育研究所を主催する森上展安氏が独自の視点で分析、検証する。

 

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受験生・保護者が、将来への不安の払拭(ふっしょく)を、私立中高一貫校に期待していることがわかるデータがあります。「本校に期待していることを、ご自由にお書きください」というアンケートに対し、記述内容で多い事項を分類し、集計した。

 

中学1年生保護者の2011・2012年のデータでは、それほど大きな差はありません。しかし、2013年では「社会人基礎力」に関する項目が大幅に増加し、「その他」が大幅に減少しています。漠然とした内容の「その他」が減少し、我が子を成長させて将来に対する不安を払拭するための現実的な要望が増加したように思えます。また、「社会人基礎力」が「学力」よりも多いのは、「社会人基礎力」に対する期待が大きいことがうかがえます。高校1年生対象のアンケートでも中学1年生と同じ現象が出ています。

 

保護者は、学歴だけでは不安なようです。就職にも有利、と大学で盛んに強調されている「社会人基礎力」は、中学・高校から配慮しなければ、なかなか身に付けることはできません。アンケートデータや社会の動向から見ても、大学受験指導に汲々(きゅうきゅう)とする学校よりも、自ら問題(テーマ)を設定し解決する、人生を切り開く力を身に付けさせる学校のほうが、受験生・保護者から求められる可能性が高くなりそうです。

 

出典:受験生・保護者による、学校に求められる「教育」の変化[中学受験] -ベネッセ教育情報サイト

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