「異常気象」をきっかけに気象情報に親しむ
2010年の夏は記録的な猛暑となるなど、例年では見られないような天候が続き、30年に一度の異常気象との発表もありました。適性検査でも、異常気象の原因のひとつとされる地球温暖化に関係するさまざまな気象データが出題されることがあります。今回取り上げるこのテーマをきっかけに、気象情報に親しみ、情報を読み解く力をつけるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
クイズde基礎知識
時事問題を学ぶきっかけになる題材をクイズ形式でご紹介します。基本情報の整理に、親子で時事問題について話題にするきっかけに、適性検査対策に、お役立てください。
「真夏日」ってどんな日? 突発的で局地的な雨を指す言葉は?
Q1
2010年、東京都心では真夏日が合計71日となり、明治9(1876)年の観測開始以来、最多記録を更新しました。「真夏日」とはどのような日のこと?
A. 一日の最高気温が25℃以上の日
B. 一日の最高気温が30℃以上の日
C. 一日の最高気温が35℃以上の日
A1 正解は 「B. 一日の最高気温が30℃以上の日」 です。
Aの一日の最高気温が25℃以上の日は「夏日」、Cの一日の最高気温が35℃以上の日は「猛暑日」といいます。ちなみに「熱帯夜」とは、夕方から翌日の朝までの最低気温が25℃以上になる夜のことです。
Q2
2008年の『新語・流行語大賞』のトップ10にも選ばれた、突発的かつ局地的に多量の雨が降ることを指す言葉は?
A. にわか雨
B. 集中豪雨
C. ゲリラ豪雨
A2 正解は 「C. ゲリラ豪雨」 です。
2008年は東京などで突発的かつ局地的に多量の雨が降る現象が何度も見られ、その激しさから「ゲリラ豪雨」という言葉がテレビや新聞に頻繁に登場しました。しかし、これは正式な気象用語ではなく、気象庁などではBの「集中豪雨」を用います。
Q3
異常気象は日本だけでなく世界各地で起きています。2010年7月、南米各地を襲った異常気象は?
A. 猛暑
B. 寒波
C. 大雨
A3 正解は 「B. 寒波」 です。
2010年7月、夏である北半球の日本では猛暑に見舞われ、冬である南半球の南米は寒波に襲われました。これまで雪とは無縁の地域で雪が降ったり、家畜が何万頭も死ぬなどの被害が出ました。北半球のロシアは日本と同じく猛暑となり、中国は大雨による被害が相次ぎました。
Q4
天気予報でよく聞く「アメダス」って何のこと?
A. 気象庁の地域気象観測システムのこと
B. 日本上空を回っている気象衛星の名前
C. 明治時代に日本の気象観測に尽力したイギリス人の名前
A4 正解は 「A. 気象庁の地域気象観測システムのこと」 です。
「アメダス」とは、地域気象観測システムの通称です(AMeDAS : Automated Meteorological Data Acquisition System)。降水量、気温、風向・風速などを自動的に観測した国内各地のデータが気象庁に集められ、気象予測や災害防止などに役立てられています。日本国内の約1300か所で降水量を計測し、そのうちの約850箇所で風向・風速、気温、日照時間なども観測しています。Bの日本上空を回っている気象衛星の名前は「ひまわり」。Cの明治時代に日本の気象観測に尽力したイギリス人は「H.B.ジョイネル」で、鉄道をつくるために来日した御雇(おやとい)外国人でしたが、気象観測の必要性を感じ、イギリスからの気象器械の調達などに尽力しました。
Q5
2010年夏の、日本での記録的なの猛暑の原因のひとつとされた、太平洋上の一部の海面温度が低くなることで起こる現象とは?
A. ヒートアイランド現象
B. ラニーニャ現象
C. エルニーニョ現象
A5 正解は 「B. ラニーニャ現象」 です。
「ラニーニャ現象」とは、太平洋の赤道域の日付変更線付近から南米のペルー沿岸にかけて、海面の温度が平年より低い状態が1年程度続くことをいい、ラニーニャ現象が発生すると、日本では平年より梅雨が短くなり夏が暑くなるという影響を受けます。これとは逆に、海面の温度が平年より高い状態が続くことを「エルニーニョ現象」といいます。「ヒートアイランド現象」は、都市部の気温がその周辺の地域よりも高くなることで、車の排気ガスや冷房の室外機からの排気熱、アスファルトが熱を蓄えることなどが原因で起こります。