めまぐるしく変化する高校事情 公立高校は統廃合が進む[高校受験]
保護者のかたが高校受験された時と今とでは、公立高校の入試は大きく変わっているというお話に続き、最近の高校そのものが、どのように変化しているのかについてお話ししましょう。
■公立高校は統廃合が進む
少子化の進行で、中学校卒業生がどんどん減っているので、現在、高校の学校数は余っています。そこで、どの都道府県でも長期高校再編計画を立て、今後高校教育をどうしていくか検討しています。再編計画の実施の過程において、多くの都道府県で、統廃合によって高校の数自体が減っています。
実際に、母校の校名がなくなっているという保護者のかたもいらっしゃるのではないでしょうか。また統合によって保護者のかたご自身のころにはなかった高校ができています。統合により新しく誕生した高校の多くは、ご自身のころにはなかった新しいタイプになっています。
まず、以前とどういう点が変わったのか、整理してみましょう。
■高校受験生の保護者の時代(1980年代半ばを想定)
・全日制・定時制(夜間)
・学年制
・普通科・職業科
■現在
・全日制・定時制(午前・午後・夜間の時間帯から、自分の生活に合った時間帯を選
べる「多部制」を導入するケースも)
・学年制のほかに単位制も
・普通科(特色があるコースを設置しているケースも)・専門学科・総合学科
ここで、なじみのない用語について簡単に説明しておきましょう。
○単位制
学年制では各学年で履修する科目と単位が決められていて、それを落とすと留年ということになってしまいます。そうなると、友達は上の学年、自分は下の学年ということで中退してしまう生徒が出ます。そうしないために、学年ごとに進級するのではなく、卒業までに必要単位74単位を取ればいいという仕組みにしたものです。
本来はそうした意図で始まったものですが、学年の枠にとらわれず履修できるので、茨城県立水戸第一高校、埼玉県立浦和高校、奈良県立奈良高校など、有力な進学校でも単位制にしているところも出てきています。
○多部制
定時制というと、「昼間働き、夜学ぶ」というイメージがありましたが、現在では、昼間働いて夜学校に通うというケースはほとんど見られなくなりました。そのため、定時制といっても、朝から学んだり、昼から学んだり、夜学んだりというスタイルをとる学校が多くなっていて、それらは「多部制」といわれています。
午前を1部、午後を2部、夜間を3部とし、そのいずれかに入学します。入学した部の中だけの学習では卒業までに4年間かかりますが、ほかの部の単位まで取れば3年間で卒業できるようになっています。