「内申」もやはり大事 「模試」と「これからの受験生活」[高校受験]
■「内申」の比重は軽くなっている?
調査書(内申)の評価が「相対評価」から「絶対評価」に変わったことで(唯一「相対評価」であった大阪府も「絶対評価」の導入が決まりました)、中学校で付けられる評定の差が拡大し、高校側に調査書への不信感が生まれて、公立高校入試では全国的に「調査書の成績」と「面接」・「作文」による推薦入試が減ってきていることは、以前お話ししたかと思います。
また一般入試でも、以前はほとんどの都道府県で合否判定における調査書と学力検査の比重は5:5だったものが、今では「どの比重で合否判定するかは、高校側が選ぶ」ようにしている都道府県が多くなってきました。
たとえば東京都では、以下の4つから選択します。
- 調査書3割:学力検査7割
- 調査書4割:学力検査6割
- 調査書5割:学力検査5割
- 調査書6割:学力検査4割
進学校ほど、Aの「調査書3割:学力検査7割」を選択するケースが多くなっています。
ですから「内申」の比重は年々軽くなっている、という印象を持っていました。私立高校ではなおさらと……。
■「内申」のいいお子さまは、あとから伸びる
先日、東京のある私立高校が開催した学習塾関係者対象の説明会に参加しました。校長先生のお話しに続き、最近の特色のある取り組みについての担当者の話などがあり、最後に、来年度入試の募集要項について、広報部長から説明がありました。
その高校では、推薦入試の出願基準・入試相談の基準を、従来は「内申の成績が5教科で22以上」または「大手模試会社の模試で2回以上の偏差値62以上」としていました。ところが2013年度は「または」ではなく「かつ」にするというのです。
なぜなら、入学してからの成績を追跡調査してみると、模試の偏差値が高い生徒(内申のあまりよくない生徒)は入学後に伸び悩むことがわかったから、というのです。その高校では受験資格に「内申に2がないこと」「欠席は原則として3か年で20日以内」という条件も付けています。
また推薦入試の出願基準の加点条件として、「英検・数検・漢検3級以上/部活動で部長を務めた/生徒会役員、学級正副委員長、委員会正副委員長を務めた、などの特記事項」を挙げています。つまり、学校での勉強をおろそかにしているタイプを敬遠し、努力を継続できる生徒、充実した学校生活を送ってきた生徒を歓迎しているのです。
お子さまが受験学年では間に合いませんが、2年生、1年生なら、各種検定を受けさせる、部長、役員、学級委員など、リーダー的な立場を担うなど、ぜひ積極的な学校生活を送るようアドバイスしていただきたいと思います。
中学校での日々の充実が、高校合格にもつながるものなのです。