基礎・基本の学力で差がつく中学受験 教科書の精読こそが有効

首都圏を中心に国・私立中学校のべ119校の2012年度社会科入試問題を徹底分析。その傾向と対策について文教大学専任講師の早川明夫氏が解説する。
※以下は、2012年4月に開催された森上教育研究所主催「わが子が伸びる親の『技』研究会」セミナーでの早川先生の講演を抄録したものです。
※分析対象は首都圏の主な国・私立中学校と、首都圏以外では、ラ・サール中学校(鹿児島県)、海陽中学校(愛知県)、神戸女学院中学校(兵庫県)など20校。公立中高一貫校は除き、複数回入試を実施した学校は、それぞれ1校分として計算。

 

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2012年度の社会科の出題のうち、今後の入試対策の参考になりそうなものを取り上げて分析します。

 

■良問ピックアップ

 

【國學院大學久我山中 社会科 大問6】
《拾得物と遺失物のグラフに、適当な物品名をあてはめ、さらに「傘」の拾得届けと遺失届けにはなぜ差が生じているのかについて記述させる問題》

 

クイズのような問題ですが、これも身近なことを取り上げて考えさせる問題です。このグラフでは「拾得届け点数」が最も多いのが「衣類」で、「遺失届け点数」が最も多いのが「財布」です。

 

【読解力と表現力を身に付ける】

 

これからの対応・対策についてお話しします。

 

まずは基礎・基本の徹底を図ってください。入試では、難しい問題はみんなができないので差が付きません。基本問題を絶対に落とさないことが大切です。合否は、基礎・基本の学力で決まります。

 

基本という意味では、小学校の授業・教科書も重要です。昨年の4月から、新学習指導要領による教科書が使用されるようになり、従来の教科書の1.3倍の分量になりました。教科書の精読は大変有効です。入試問題は学校の教科書からも出題されています。

 

また、社会は正確に文章や資料を読む力、読み取ったものを表現する力が必要です。読解力と表現力を身に付けましょう。

 

出典:2012年度に出題された良問をピックアップ <社会> -ベネッセ教育情報サイト

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