「解けないことを楽しむ」ことが算数の問題を解く上で大切
中学受験勉強に励む子どもとその保護者にとって、成績のスランプや上がらない合格判定は悩みの種。特に算数については、多くの子どもがその勉強に苦労しているだろう。宮本算数教室の宮本哲也氏は、子どもの勉強について、「向き合い方ひとつでお子さまは変わります」とし、算数の問題を解くうえで大切なことに関しては「(1)答えに走らないこと=試行錯誤を楽しむこと」と「(2)わからないことを、わかったことにしない」の2つのポイントをあげ、次のように解説する。
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「試行錯誤を楽しむということは、解けることを楽しむことではありません。解けないことを楽しむことです。ああでもない、こうでもないとわからないことを楽しめるようになりましょう」
以前、大手の模擬試験の算数の問題を作成していたという宮本氏はさらに、「偏差値マジックに惑わされない」ことの重要性についても語った。
「1万人近くが受験する模擬試験の場合、その結果であらゆる受験校の合格可能性判定を出すため、きれいな偏差値分布を作らなければいけない。問題もそうなるように作成されています。例えば平均点が高くなりすぎると、満点を取っても偏差値が70に届かない場合があります。そうすると、偏差値が70を超える学校には合格判定が出せなくなってしまいます。反対に平均点が低くなりすぎると、0点を取ったとしてもある程度よい偏差値が出てしまうことになります。このことを理解した上で、模擬試験を利用されることをおすすめします」