学校種別に見る2012年中学入試の予測 [中学受験]

【グラフ1 受験者数推移 学校種別】

グラフ1 中学入試受験者数推移 学校種別

学校種別による分析で2012(平成24)年中学入試の受験者数を予測してみる。グラフ1を見ると、2009(平成21)年に女子校で受験者数が増加したことになり、その原因は、サンデーショックということが考えられる。2月1日が日曜日となり、人気のあるキリスト教系の女子校が入試日を変えたため、受験生一人あたりの受験校が増えたと考えられる。


【グラフ2 受験者数推移 学校種別】※2006年を100%

グラフ2 中学入試受験者数推移 学校種別 2006年を100%

グラフ2を見ると、2009年は女子校だけでなく共学校も受験者数の増加が見られる。サンデーショックの影響を受けたのは女子校が多かったはずだが、共学校も影響を受けたことがわかる。2010(平成22)年と2011(同23)年を見ると、2012年入試では、男子校・女子校・共学校とも同様に約8%受験者数が減少すると予測できる。


【グラフ3 受験者数推移 学校種別】※2008年を100%

グラフ3 中学入試受験者数推移 学校種別 2008年を100%

グラフ3を見ると、共学校のグラフがないように見えるが、実は、「計」とほとんど同じ値で、重なっている。サンデーショックがなければ、2008(平成20)年~2011年は男子受験生の数と「計」は、一致すると考えられる。男子校の減少傾向はほぼ一直線で、小6人口の修正なしでは毎年4~5%(小6人口の修正ありでは5~6%)の減少と言える。


【グラフ4 受験者数推移 学校種別】※前年対比

グラフ4 中学入試受験者数推移 学校種別 前年対比

グラフ4では「計」で隔年現象が見られる。男子校は、2008年以降は、受験者数前年対比が、ほぼ一定の減少率で推移していることがわかる。しかし、女子校と共学校は明確に隔年現象があり、女子校は極端な増減となっている。
2012年入試はグラフ3からは、男子校・女子校・共学校とも、同様に約8%受験者数が減少するという予測ができるが、グラフ4を見ると、女子校と共学校は隔年現象の影響で女子校は8%を上回る減少、共学校は8%程度の減少、隔年現象の影響のない男子校は5%程度の減少が考えられる。

学校種別によっても、受験者数の減少率は異なるようだが、だからと言って第1志望校の学校種別を変更する受験生・保護者は少ないと思う。


プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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