[私立高校の魅力はどこにあるか? 高校受験]私立高校を選ぶ時のポイント
学校選びのポイント
在学中の生活イメージだけで考えない
中学3年生くらいだと、どうしても「校舎がきれい」「制服がかわいい」「学校生活が自由で楽しそう」……といった在学中の3年間のことだけで学校を選びがちです。本人が生活する3年間ですから、それらも重要な要素には違いありませんが、中学3年生が気付きにくい先生の質、カリキュラムの充実度、使用教材のレベルといったことにまで、保護者としては注意を払いたいものです。
選抜機会は2回以上あるところが多い
私立高校の選抜機会は2回以上あるのが普通です。多くの県では推薦入試と一般入試があります。推薦入試では、主に内申を基準に選抜を実施。県によっては、絶対評価になって内申の成績が当てにならなくなっていることもあり、適性検査(総合問題による筆記試験など)を行う学校が増えています。一般入試では主に筆記試験で選抜します。
推薦入試は、原則として第一志望者のみを対象にしている県もあれば、公立高校のみ併願を認めている県、他の私立高校との併願も認めている県と、地域によって状況はずいぶん違います。推薦入試では願書を出す際の基準(調査書点)が定められているケースが多いのですが、当然単願受験(合格したら必ず入学する)のほうが併願受験より出願基準は低くなります。
一般入試は入試当日の筆記試験の成績で選抜されますが、なかには調査書の成績が影響する県もあります。筆記試験の教科数はその県の公立高校と同じ学校もあれば、少ない教科数にしている学校もあります。学校によっては一般入試自体も2回以上行うところもあります。
最近一部で増えているのが「特待生入試」。これは入試での得点に応じて入学金や授業料等が免除されるものです。特待枠では不合格でも一般枠で合格(スライド合格)としたりする学校もあり、一般入試で合格を確保したうえで特待生入試に挑戦できる制度(チャレンジ入試)をとっている学校もあります。
公立高校の入試同様、私立高校入試も推薦・一般から前期・後期選抜制に変更される県もあります(中学校長の推薦が不要になったため)。推薦入試といっていた時代には募集定員枠が全体の50%程度という枠があるのが普通でしたが、前期・後期選抜制になるとこれがなくなることが多く、そのため、私立高校入試は前期選抜で大勢が決まってしまうことになります。
第一志望かどうか
私立高校受験の場合、何といっても問題になるのは、その私立高校が第一志望であるかどうかということ。それによって単願推薦でいくか、併願推薦でいくかが決まってきます。2学期の調査書点(2期制の場合は後期の中間までの成績)が出た段階で、志望校に出願できるかどうかが判明します。調査書点が足りなかったら、受験校を変更するか、その志望校の一般入試に回るわけですが(学校によっては基準に足りない受験生のために、適性検査のある推薦入試を行う学校もあります)、原則的には入りたい学校を優先すべきでしょう。
また、私立高校入試は入試日程によって倍率が大きく変動することが特徴です。各校の入試日程をしっかりつかんで、どの学校が重なるかなど、早めにチェックしておくことが大切です。
また、私立高校受験に特有なことといえば、入学金の問題があります。合格発表後すぐ入学手続きする必要がある学校、公立高校の合格発表まで入学手続きを待ってくれる学校、事前に手続きするが一部返還される学校……といろいろなケースがあるので、こうしたことは本人に任せるのではなく保護者が整理しておきましょう。
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以上、2回にわたってみてきましたが、ひと口に私立高校といっても多様な側面を持っています。単に公立高校の併願先ととらえて選ぶのではなく、直前でも受験予定校をこうした観点から今一度見つめてください。