中学受験へのアドバイス「失敗」と「成功」をふまえて(3)[中学受験合格言コラム]

今回は「出願準備」に関するお話。
こればかりは「失敗」したくないところだ。中学受験を経験した先輩に話を聞くなどして、学習しておくことをおすすめする。

先日、進研ゼミ『難関私立中高一貫講座』が作成した『中学受験 ホンネで語る成功と失敗』を拝見する機会があったが、「成功」した先輩保護者の話を聞くと、「願書のコピーをとっておいて面接時に役立てた」という用意周到な、すでに態度だけで合格確実ムードが伝わってくるコメントを見かけた。

「失敗」したというケースは、一言で言えばシミュレーション不足の場合が多いと思う。やはり大敵は事故や病気といったいわゆるアクシデントの類。このアクシデントの前には必ずちょっとした前触れであるインシデント(小事故)があるものだから、注意を怠らないことだ。このインシデントのときに想像力を発揮して、本番だったらどうすれば良いかをシミュレーションしておくことをお勧めする。

さすがに最近は減ったように思うが、「当初予定していなかった学校の願書を慌てて取り寄せた」などという話を聞くことがある。こういうケースは心理的にきついので、合格・不合格の両方を考えてあらかじめ手を打っておく……つまりダブルで出願しておくなど、慌てないように準備をしておくことが大切だ。

また、これも「失敗」の定番だが、受験会場のあまりの人数に萎縮してしまうケース。人に飲まれてはいけない。やはり肩慣らしは必要なので、練習試合のように本命入試以前に本番に慣れられるよう、もう一つの併願校を選んでおこう
。そのうえで一つの合格をいただいておくと第1志望校受験の際も大変心強いものだ。

最後に「おさおさ怠りなく」と申し上げておきたいのは、ご夫婦の協力態勢の確認。子どもの前での言動の一致と同時に、万一失敗したときのご夫婦の対応だ。
また、塾や家庭教師の先生に、入試期間中の子どもへのフォローをお願いしておくのも大事なことである。


プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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