「特待入試」とはどのような入試なのか?

ここ1、2年の私立高校の入試で、多くの学校が「特待入試」を取り入れるようになってきました。この回では「特待入試」について取り上げてみましょう。
2008年秋のリーマン・ショック以降、家庭の財布事情が一段と厳しくなっていることを反映して、私立高校側が家計の負担を軽減することで、経済的事情で敬遠されるのを防ごうとし、「特待入試」を導入する学校が多くなっています。


「特待入試」の中身は学校によって違い、また学校内でも何種類かある場合がありますが、大きくは次の3種類です。

  1. 「入学金」のみ免除
  2. 「入学金(+施設費)」+「1年間の授業料」の免除
  3. 「入学金(+施設費)」+「3年間の授業料」すべて免除

入学試験の成績によって、こうした1~3のようなシステムにしている学校が多いです。


その場合に、

  1. 成績上位の者を特待生にする。
  2. 独立した「特待入試」「特別奨学生入試」を設ける。

といった方策をとっています(中には両方とも行っている学校もあります)。


以前は上位何名という条件の学校が多かったのですが、最近は「90%以上の得点でA特待、80%以上の得点でB特待…」といった方式の学校が出てきています。上位何名という条件だと、相対的なものなので確実に「特待生」になれるという保証はありませんが、得点なら「過去問」をやることである程度目安がつくので受験しやすいのではないでしょうか。
また「特待入試」の場合に、一般合格にスライドできる制度があるかどうかもポイントです。逆に一般入試で合格を確保したうえで、特待入試に挑戦できる制度をとっている学校もあります(チャレンジ入試)。学校ごとに複雑なので、十分調べて受験するようにしたいです。
その学校の「特待生」が3年間保証というのであれば安心なのですが、多くの場合は成績によって1年ごとに見直しがあります。その場合には、翌年度も「特待生」でいられるかどうか、子どもには大きなプレッシャーになるでしょう。したがって、「特待生」でなくなったら退学させるしかないというようなギリギリの経済状況での進学はやめたほうがいいでしょう。学校への納付金以外にも、通学の費用、制服代、部活動の費用、学校行事の費用などさまざまな費用がかかるので、ある程度の余裕を見ていただきたいです。


プロフィール


安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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