(国語が不得意な)わたしが娘に何をアドバイスしたら良いのでしょうか?[中学受験]

平山入試研究所の小泉浩明さんが、中学受験・志望校合格を目指す親子にアドバイスする実践的なコーナーです。保護者のかたから寄せられた疑問に小泉さんが回答します。




質問者

小5女子(性格:大ざっぱ・論理的)のお母さま


質問

娘は日常的に読書をするのが好きで、よく言われるように、国語は得意です。しかしクラスで1番、塾で1番ではありますが、全国で1番ではありません。わたし自身国語が不得意で、学校の通知表はいつも10段階中5でした。そんなわたしが、娘に何をアドバイスしたら良いのでしょうか?


小泉先生のアドバイス

教える必要はありません。逆に≪説明してもらう≫ようにすれば良いでしょう

本を読むのが好きで国語も得意な生徒であれば、今は特にアドバイスをすることはないと思います。ただし、5年生の後半から6年生にかけて急に国語の成績が低迷していく生徒もいます。たとえば、「大ざっぱなタイプ」の生徒は、問題内容がより抽象的かつ複雑になってくると、精密な読みができなくて成績が一時的に落ちてくる場合があります。そんな時は、しっかりとバックアップしてあげれば良いでしょう。

さて、その方法ですが、国語が苦手なお母さんがお子さまに教える必要はありません。逆に≪説明してもらう≫ようにすれば良いでしょう。「子どもに説明させる? ……教えてもらうの?」と驚かれるかもしれませんが、人に説明したり教えたりするには、その内容を根本から理解している必要があります。つまり、国語がある程度できているお子さまにとって、効果的な勉強方法がこの「説明する」ということなのです。

やり方はとても簡単で、お子さまに質問して、お子さまがお母さんにわかるように説明するというものです。
たとえば、先日行った模擬試験が返却されたとします。お子さまに質問する前に、お母さんも一通り問題文と設問を読み、答えを自分なりに考えておくことは必要でしょう。また、解答解説にも目をとおしておきましょう。ご自分の答えが違っている場合もあるでしょうが、正解・不正解にこだわる必要はありません。問題と設問の内容を理解していただければ十分です。
そして、お子さまが間違えている問題を中心に、「なぜ間違えたのか」「どのように考えて正しい答えを導くのか」を説明してもらいます。その場合、お子さまも解答解説を読んでかまいません。国語が苦手なお母さんがわかるように、納得できるように説明するのですから、順番にわかりやすく説明してもらう必要があります。たとえば選択肢の問題であれば、誤った選択肢のどこが間違っているのか、あるいは正しい選択肢は本文のどこを根拠に正解と言えるのかを具体的に示してもらいます。
もし途中でどうしても説明できなくなったら、無理に説明させる必要はありません。次回、塾に行った時にでも、先生に教えてもらえば良いでしょう。そして理解したら、それをお母さんに再度説明すれば良いのです。お母さんに説明するのですから、先生から説明を受ける時も一生懸命聞くことになると思います。

さて、このような作業は、模擬試験やテストに対して毎回行う必要はないと思います。お母さんの手が空いた時に、一緒に勉強してあげられる時だけで十分でしょう。この「説明してもらう」という方法は、ある程度国語力がある生徒には効果的です。先生の説明を受けている時には十分に理解できなかったことが、お母さんに説明することで理解できるようになるという経験を何度もすることでしょう。そして、その繰り返しがさらなる学力の向上を生みだす原動力になると思います。


プロフィール


小泉浩明

桐朋中学・高校、慶応大学卒。米国にてMBA取得後、予備校や塾を開校。現在は平山入試研究所を設立、教材開発など教務研究に専念。著作に「まとめ これだけ!国語(森上教育研究所スキル研究会)」などがある。

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