算数「濃度」[中学受験]

問題5
3種類の食塩水A、B、Cがそれぞれ60g、120g、100g あります。Aの濃(こ)さは3%です。このとき次のようになります。
[1] A20g とB30g をまぜあわせると、Cと同じ濃さの食塩水ができます。
[2] A、B、Cすべてまぜあわせた食塩水Dの濃さは7.5%になります。

次の問いに答えなさい。ただし、食塩水の濃さとは、食塩水の重さに対する食塩の重さの割合のことです。

(1) Dに含(ふく)まれる食塩は何gですか。
(2) Bの濃さは何%ですか。
(3) Cの濃さは何%ですか。

(麻布中 2008年)
<問題5 (1)の考え方と答え>
これは何も問題なく解けますよね?

全部まぜあわせますから、食塩水Dは 60 + 120 + 100 = 280g になりました。

[2]より、これが 7.5% の濃さになったことがわかっているので、含(ふく)まれている食塩は?

280 × 0.075 = 21
(答え) 21g
<問題5 (2)の考え方と答え>
[1]からどんなことが導けるでしょうか?
「Cと同じ濃さになった」…というのが「カギ」ですよね。

「まぜあわせる量の比が同じなら、同じ濃さになる」ということを理解していれば、
A40g とB60g を混ぜ合わせても、Cと同じ濃さになるということに気づきます。

ピンとこない人は、実際に計算して確認してみてね。

A40g + B60g = C100g  となるということです。

そうすると、Dをつくるときは、このようにかけますね。

   A60g + B120g + C100g = D280g

→  A60g + B120g +( A40g + B60g )= D280g

→  A100g + B180g = D280g


ここで、食塩の量に注目し、Bの濃さを□%として式を書き直すと、

   100 × 0.03 + 180 × □ = 21

→  3 + 180 × □ =21

→  □ =( 21 − 3 )÷ 180 = 0.1 …… Bの濃さ

(答え)10%
<問題5 (3)の考え方と答え>
[1]より、

( 20 × 0.03 + 30 × 0.1 )÷( 20 + 30 )= 0.072
(答え) 7.2%


さて、いかがでしたか?  いろんなタイプの「濃度」の問題を考えてきました。

最初に言ったように「濃度」の問題は、

  1. 面積図だけで考える問題
  2. 食塩の量に注目していく問題
  3. 食塩の量に注目して、面積図も利用する問題


という3つのタイプに分かれます。面積図は最初は慣れないかもしれませんが、何度もかいてみて練習すると、定着するよ。なんと言っても、この解法は「算数の美しさ」を実感できるから、ぜひマスターしてくださいね。

ミスター・ツカムでした。


プロフィール



大人気メールマガジン「コロンブス的・超発想で中学受験を成功させる方法」の発行人で、中学受験カウンセラー。メルマガは殿堂入りを果たす。理科・替え歌暗記法のCD『愛のメモリーTM』も作成。

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