【回答:吉本笑子】家庭学習・家庭内コミュニケーション<その2>

「中学受験は親子の受験」とも言われ、保護者のかたの役割はとても大きいもの。受験準備が進むにつれて、心配事や気がかりもいろいろ出てくるでしょう。よくある相談事例について、専門家の先生がたや、合格家庭の先輩保護者のアドバイスを集めました。

子どもが楽しく勉強できるコツは?

家庭での女の子の接し方、そのポイントは?

子どもが楽しく勉強できるコツは?

子どもが楽しく勉強できるようになるポイントのようなものを教えてください。
できるだけいろいろな体験から「知識」を与えるようにします。
そこに親の笑顔があれば、子どもにとって、それらはすごく「楽しい」ものになるはずです。
また、学習でつまずいてしまった場合は、子どもに「できないからと自信をなくさなくていいんだよ」「できないことは悪いことじゃないよ」「できないときは、体験などを通してそれを克服すればいいんだよ」と声をかけ、体験や「もの」を通して理解を深められるような工夫をしてあげるといいですね。

「学ぶは楽しい」を体験させるために、何か特別なことをしなくてもいいんです。キッチンで、お買い物で、お掃除で…と日常生活をとおして与えてあげてください。その具体例は拙著(『お母さん、もっとおしえて!国語・算数・理科・社会 』<情報センター出版局>など)でご紹介しておりますのでご覧いただきたいと思います。

家庭での女の子の接し方、そのポイントは?

女の子への家庭での対応に関して、ポイントを教えてください。
●話をするとき
言葉の意味からより、話す人の表情や声の抑揚に注目しているので、話を聞こうとしても、「親が怒っているな」「自分を受け入れていないな」と感じると、構えてしまったり、逃げ腰になったりする。大切なことを伝える場合は穏やかに接するのがポイント。

●語彙(ごい)力をつける、表現力を高める
話をしながら考えをまとめていくところがあるので、「子どもが話をしやすいような雰囲気をつくる」「子どもが話を始めたら、少々不安げな内容や言語でも、途中で言葉を取り上げないようにする」のがポイント。お子さんの話をじっくりと聞いてあげるようにしましょう。

●学習計画を立てるとき
女の子(きっちりしなくちゃさん)の場合、自分の能力を過小評価していることが多い。学習習慣を身につけさせたいときは、お子さんが「できる」と思えることからはじめ、少しずつ「できる」を増やしていくとよい。無理をせず、着実に1歩ずつ前進していける学習計画を立てることがポイント。

●達成感の与え方
人からの評価が気になるところがあるので、お子さんががんばっているときはほめるように配慮し、「できないこと」は「良くないこと」という価値観をもたせないように工夫するのがポイント。

●親子関係を豊かにする工夫
女の子は自己開示をしながら人間関係を深めていくところがある。親子関係が豊かでないと、親のアドバイスが子どもの心に響きにくくなるので、ゆったりとした親子の時間に、「あなたが生まれたときはね…」など、親の深い思いを感じさせるエピソードを話したり、親の立場から考えること、思うことを話すようにするのがポイント。

プロフィール



私立中学受験指導のカリスマ教育カウンセラー。講座「お母さんの勉強室」は予約が殺到。『泣かない中学受験』をはじめ多くの著書では、子どものやる気を引き出し、できる子をつくる方法と心温まる合格へのプロセスが語られている。

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