「政権交代」から日本の政治について考える

※2009年12月現在の情報に基づいた記事です。

2009年8月30日に第45回衆議院議員総選挙が行われました。その選挙では民主党が大幅に獲得議席数を伸ばし、これまでの自由民主党政権から民主党中心の政権に政治の主導権が移動するという結果となりました。
そこで、今回は日本の政治や社会にとって大きな変革である「政権交代」について取り上げます。
国民生活にも大きく影響するといわれている今回の政権交代。お子さまが政治を身近に感じる機会はなかなかないものですが、この歴史的なできごとをきっかけに親子で政治や社会のしくみについての興味を深めていきましょう。


クイズde基礎知識

民主党の獲得議席数は?
総理大臣はどうやって選ばれる?


Q1

2009年8月30日に行われた衆議院議員総選挙で、民主党が獲得した議席数はどのくらい?


A. 総議席数の1/3程度
B. 総議席数の過半数に少し足りない数
C. 総議席数の過半数を大幅に超える数


A1 正解は 「C. 総議席数の過半数を大幅に超える数」です。

総選挙で民主党が獲得したのは308議席。衆議院の総議席数は480議席なので、民主党は1党だけで過半数を軽々と超えたことになります。日本は議会制民主主義で、国会の議決は話し合いの後、多数決で決定されます。そのため、所属する議員の数が多いほど党が進めたい政策や予算を国会で通しやすく、党にとって有利になります。ちなみに自民党の衆議院議員数は選挙前が300人、選挙後が119人。民主党の選挙前の議員数は115人。まさに与野党が逆転した、歴史的なできごとといえます。


 選挙後議席選挙前議席
民主308115
自民119300
公明2131
共産99
社民77
みんな54
国民34
日本10
大地11
改革01
諸派00
無所属66
480478(欠員2)

Q2

「マニフェスト」についてまちがっているものは?


A. 「政権公約」と同じ意味で用いる
B. 選挙の際にはどの候補者や党も必ず提出しなければならないもの
C. 選挙の際、政党などが発表する「具体的な公約」のこと


A2 正解は 「B. 選挙の際にはどの候補者や党も必ず提出しなければならないもの」 です。

マニフェストとは選挙の際に政党や候補者が、国民に向けて「自分たちが政権をとったら、こういうことをする!」という“約束”を掲げる文書のことです。
そこには自分たちの実現したい政治や政策が、数値や達成時期の目標、実現するための財源などと共に書かれています。
「公約」という言葉は以前からありましたが、数値や時期目標などがあいまいなものが多く見られました。それをより具体的に指し示す「政権公約」として2003年頃からいろいろな政党で発表されるようになりました。
しかし、全候補者や政党が必ず提出しなければならないという決まりがあるわけではありません。


Q3

総理大臣(首相)はどうやって選ばれる?


A. 国会議員による選挙で選ばれる
B. 選挙権をもつ国民全員による選挙で選ばれる
C. 最も議席数の多い政党の党首が自動的に選ばれる


A3 正解は 「A. 国会議員による選挙で選ばれる」 です。

日本の政治は「議院内閣制」といって、総理大臣(首相)は、国民の代表である国会議員により選挙で選ばれ、天皇が任命するしくみになっています。この総理大臣を決めるための選挙を「指名選挙」と呼び、ほとんどの場合、所属人数が最も多い政党(与党)の代表が総理大臣に選ばれますが、“自動的に”なれるわけではありません。
また、指名選挙は衆議院と参議院、それぞれで行われますが、もしも違う人が候補者に選ばれた場合は日本国憲法に基づき両院協議会が開かれ、それでも決まらない場合は衆議院の結果が優先されます。


Q4

2009年8月30日に行われた衆議院議員総選挙で自民党は野党になりました。では、自民党が野党になったのは、結党以来何度目?


A. 今回が初めて
B. 2度目
C. 5度目


A4 正解は 「B. 2度目」 です。

与党とは、日本のような政党政治において、政権を担当している政党またはその政権を支持している政党のことです。反対に野党とはそれ以外のすべての党を指します。
自由民主党は一度、1993年の衆議院議員総選挙で、結党以降初めての野党を経験しています。なので、今回は2度目ということになります。


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