【回答:森上教育研究所】志望校選び<その6>

「中学受験は親子の受験」とも言われ、保護者のかたの役割はとても大きいもの。受験準備が進むにつれて、心配事や気がかりもいろいろ出てくるでしょう。よくある相談事例について、専門家の先生がたや、合格家庭の先輩保護者のアドバイスを集めました。


【回答:森上教育研究所】志望校選び<その6>


教育費の経済的な負担の違いを知りたい

附属中学校の良さと注意点が知りたいです

子どもに合う学校選びのポイントは?

教育費の経済的な負担の違いを知りたい

私立中学、高校に通った場合と、公立中学に通わせて高校受験のために塾に通わせるのでは、経済的負担にどれくらいの差があるのでしょうか?
学校によっては、大学受験まで面倒を見るので、ほとんど塾に行く必要のない私立中高もあるという話も聞きます。そういう情報は、どこでわかるのでしょうか?実際中学に通われている方に聞くことができれば一番いいのですが、今は近くにいないのでお聞かせください。
公立中学に通わせた場合、高校を私立にするか公立にするかで、経済的負担は変わります。また私立中高や塾によっても学費はさまざまです。子どもの学力によっても、経済的負担は変わります。例えば、子どもが優秀であれば、中高大と国公立に通わせるのが、最も経済的負担は少なくてすみます。私立中学と公立中学に通うことでの経済的な負担の差を論ずるには、あまりにもファクターが多いので、個別のケースで考える必要があります。
また、「大学受験まで面倒を見るので、ほとんど塾・予備校に行く必要がない」ことを特色として掲げている私立中高もありますが、実際のところ、塾・予備校に通っている生徒の割合は少なくないようです。そのような学校の在校生から現状を聞くと「塾・予備校に通っている友達が多いので、自分も心配で予備校に通っている」ということでした。ただし、このような私立中高では、通っている期間は比較的短いようです。ほとんどの学校としては塾・予備校に行く必要がないだけの受験指導はしているようですが、生徒は周りの友達が行くので心配となり、塾・予備校に通うということになるのでしょう。
学校の学校案内・ホームページを見ればわかると思いますが、塾・予備校に行く必要がないことを特色としている私立中高で、実際にどれだけの生徒が塾・予備校通いをしているかは、学校では公表していないと思います。学校説明会で質問したり、その学校の高校2〜3年生の在校生に聞いたりしてみてはいかがでしょうか。

附属中学校の良さと注意点が知りたいです

私立大の附属中学校をめざしています。親としては、大学まである附属中学が安心できますが、子どもにとって附属中学はどんな良さがあるのか、気をつけたいいことは何かを教えてください。附属中学に向いている子どもの個性や将来像があれば知りたいです。
大学附属の私立中高は、大学受験を考える必要がないため、子どもが何かやりたいことを見つけられ、一生懸命に打ち込むことができれば充実した中高6年間を送ることができると思います。それが大学の学問につながっていれば理想的で、大学に入学した後は、大学受験で疲れ果てているクラスメートに比べ、大学の学問により深く、熱心に取り組むことができるでしょう。
大事なのは、中高6年間に興味のあることが見つけられて、一生懸命に打ち込めるかどうかです。それができなければ、なんとなく過ごした6年間となり、「受験勉強に取り組んだほうが良かった」ということになりかねません。
大学附属の私立中高で進路の問題となるのが、その大学に子どもが望む学部・学科がない場合や、子どもがより高いレベルの大学に進学したいと言い出す場合です。
学校によって割合は異なりますが、必ずといっていいほど他大学受験を希望する生徒がいます。大学附属の私立中高では、受験校よりも大学受験に対応していないと考えていいでしょう。大学附属の私立中高で他大学を目指す子どもたちは、しなくともよい苦労をすることになりかねません。
また、大学附属の私立中高に向く子どもの個性があるかといえば、あるとは思いますが、まだ研究中です。

子どもに合う学校選びのポイントは?

たくさんある私立中学から、子どもに合う学校をどのように選んだらいいのか、迷っています。共学がいいのか、男女別学がいいのか、ミッション系がいいのか仏教系がいいのか、自由な校風か厳しい規律のほうがいいのか、子どもによって向き不向きがあれば、伺いたいです。子どもとの相性はどのように見極めればいいのか、その方法を教えてください。
「共学がいいのか、男女別学がいいのか、ミッション系がいいのか仏教系がいいのか、自由な校風か厳しい規律のほうがいいのか」という選択肢を考える前に、まず、子どもの性格を見極める必要があります。子どもの性格がわからなければ「子どもに合った学校」は見つけられません。
ひとくちに「子どもに合った学校」といっても、1)子どもの性格・能力で居心地のよい学校なのか? それとも 2)子どもの性格・能力の長所を伸ばしてくれる環境がある学校なのか? 3)子どもの性格・能力の短所を克服してくれる環境がある学校なのか? というポイントがあります。1)を重視するのであれば、家庭文化に近く、子どもと同じような性格の子どもが多い学校を選ぶべきでしょうが、2)や3)であれば、家庭文化とは異なっていても、長所を伸ばしてくれる、または短所を克服してくれる学校を上記の選択肢で選べばよいと思います。
確かに、「子どもに合った学校」を探すのは難しいと思いますが、「子どもが満足する学校」であることが大切です。受験生・保護者が徹底的に調査・検討した学校には愛着がわくので、子どもは学校に良いイメージをもち「満足度の高い学校」に入れたと思うようになります。逆に、納得するまで志望校を検討せずに、偏差値だけで学校を選ぶと「こんなはずでは…」ということから、「自分に合わない学校」に入ってしまったと思うようになりがちです。

プロフィール



中学受験と私塾、中高一貫の中等教育と私学を対象とする調査・コンサルティング機関。私塾に『中学受験研究』、私学に『私学中等教育』を月刊で発行している。「わが子が伸びる親の『技(スキル)』研究会」を主催している。

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