【回答:ミスター・ツカム】家庭学習・家庭内コミュニケーション<その4>

「中学受験は親子の受験」とも言われ、保護者のかたの役割はとても大きいもの。受験準備が進むにつれて、心配事や気がかりもいろいろ出てくるでしょう。よくある相談事例について、専門家の先生がたや、合格家庭の先輩保護者のアドバイスを集めました。


【回答:ミスター・ツカム】家庭学習・家庭内コミュニケーション<その4>


志望校に偏差値が届きません

ゲームに夢中ですが…

学校の宿題がおろそかに…

志望校に偏差値が届きません

4年生から塾に通っていますが、どうしても第一志望校に偏差値が届きません。私の出身校なので初めから親としても志望校を決めつけていたところがあったのかもしれません。5年生のうちにもっと他の学校も視野に入れておけばよかったと後悔しています。6年生の秋からでも、変更したほうがよいでしょうか?
どれぐらい偏差値が届かないのかわからないので正確には判断できませんが、これからの追い込みで合格することは不可能ではありません。
実際に私が指導したお子さんで、一度も合格圏内に入っていなくて合格したパターンもいくつもあります。ただし、本人の並々ならぬ努力と家族をあげての協力体制が必要となりますが。

また考えてほしいことがあります。私はよく受験をトライアスロン競技(遠泳→自転車→マラソン)にたとえてお話しします。
大学受験まで想定すれば、中学受験は最初の「遠泳」にあたります。ここで全精力を使いきってしまうと、あとのレースを行う力がなくなってしまうかもしれません。入学してから勉強についていけなくて無気力になってしまうとかです。
中学生活が多少きつくてもがんばれるのか? マイペースで過ごされるほうがそのお子さんらしいのか? お子さんの性格で判断して、志望校の選択をされるのもひとつの考え方ですよ。

あと、志望校を変えられる場合は、いかにその学校が「あなたにふさわしいか」という理由を見つけ出して、情報をいっぱい与えてあげてください。そうすることによってお子さんの「やる気」は維持できると思います。

ゲームに夢中ですが…

小5の男の子ですが、時間の空いているときはゲームに夢中です。最初は気晴らしということで容認していましたが、スイッチが入ってしまうと聞く耳をもちません。主人もゲーム好きのため、息子は張り合っているようです。塾のない日も友達と遊んだりしないで、帰宅後はゲームです。来年は6年生なので、どこかでリセットしないと、受験どころではなくなる…と心配しています。どう働きかけていけばよいでしょうか?
お子さんに働きかけたり、言葉をかけてあげる以前に確認することがあります。お子さんの中学受験に対する「やる気」です。どれほど本気で「受験したい」「あの私立中学に入りたい」と思っているかが重要です。とはいっても、まだ5年生ですからそれほど明確な目標とはなっていないのかもしれませんね。
ですから、中学受験することの意味・意義をお子さんにもう一度話して納得させることが先決ですよ。
「やる気」を起こさせる適切な目標の立て方については、ミスター・ツカムのメールマガジン『第281回 適切な目標&達成(http://www.mekimeki.net/mailmag1-7.html#281)』を参考にしてください。詳しく解説しています。

それからご主人もゲーム好きということですが、お子さんの受験が終わるまでは少しやる時間を減らして我慢する、ゲームの話はあまりしないという協力も必要ですね。
また、受験するしないにかかわらず、規則正しい生活を送れるように、1日の中でゲームする時間を決めてみてはどうですか? 1日に30分だけとか…。
社会にはルールがあり、会社にも学校にもルールがあります。当然、各家庭にもルールがあることを、今からお子さんが感じていくことも、これからの成長にとって大切だと思います。

学校の宿題がおろそかに…

塾の勉強が忙しくて学校の宿題がおろそかになりがちです。宿題が終わらず遅くまで起きていることもあります。中学受験をするお子さんのなかには、宿題をいっさい提出していないかたもいるそうですが、本人に任せておいて大丈夫でしょうか? どうしたらいいか教えてください。
学校の宿題をするかしないかは、家庭の方針ですからご両親が判断すればいいと思います。お子さんに任せておくのはよくないと思います。
でも私の考えでは、学校の宿題はキッチリやっていったほうがよいです。大人がしっかりとした信念の下に何かを拒否するなら大丈夫ですが、まだまだ子どもです。「やっていない」というマイナスの感情が残り、罪悪感のようなものが無意識に入り込むのはよくないですね。
それよりも、時間管理を意識しましょう。本当に睡眠時間を削らなければいけないほど時間はないのでしょうか? どんなに忙しくしているようでも、必ず小さなコマ切れ時間があるはずです。
お風呂から上がってから次に何かをするまでの時間。夕食までのわずかな時間。これを見つけて宿題をする時間に当ててみる。これから何年もしてください…と言っているのではありません。入試までのほんの数か月間だけです。
また、このコマ切れ時間を有効に使う練習をしておくと、最後の追い込みのときにすごく集中して成果が表れるので、ぜひ今からやってみてくださいね。

プロフィール



大人気メールマガジン「コロンブス的・超発想で中学受験を成功させる方法」の発行人で、中学受験カウンセラー。メルマガは殿堂入りを果たす。理科・替え歌暗記法のCD『愛のメモリーTM』も作成。

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