受験生活のスタートにあたって 今のうちにお子さまと高校へ[高校受験]
■今のうちにお子さまと高校へ
少し先の話になりますが、私立高校を受ける場合は、受験校を決める時に、概ね次のような手順を踏むことになります。
まず、12月に中学と私立高校の間で入試相談というものが行われ、個々の生徒について「合格の可能性」が話し合われます。その相談に出向くために、その前に中学校では本人・保護者・担任との三者面談が行われ、志望校について話し合います。その時にはどうしても「受かる学校探し」になってしまいます。
この段階までくると、学校の特色が自分に合っているかどうかよりも、受かりそうかどうかのほうに比重が置かれてしまうのです。これでは3年間充実した生活が送れる学校かどうか、ということにはなりません。
実際、友達が推薦入試で決まったりすると、焦って学校の中身をろくに調べもせずに、不安から早く決めたがる受験生が多いのです。ですから、学校の検討は時間に余裕がある早い時期にすることが大切です。
また4月は、週刊誌が頻繁に高校別大学合格者数ランキングを扱っているので、「大学に合格させる力=私立高校の教育力」ととらえる保護者が多くなります。実際に、前年春の大学合格実績が翌年の応募者数にすぐに跳ね返る傾向が、このところ年々顕著になってきました。
人気のある大学に行くこと自体は意味のあることですし、それは否定しません。が、高校は大学への「通過点」としてではなく、在学する3年間そのものに大きな意味があるということを知っていただきたいのです。
お子さまの学校生活が充実したもの、いきいきしたものになるかどうかは、難関大学合格者数や偏差値という数字からはわかりません。それはお子さまや、保護者のかたが、その学校の中身を知ることでしか判断できないものです。数字以上に学校の中身に関心を持ってほしいというのは、お子さまにいきいきした学校生活を過ごしてほしいからです。
また、受験に成功するかどうかは、「その学校に入りたいという気持ちがどれだけ強いか」にかかっています。お子さまが本当にその学校に行きたくなれば勉強に対する姿勢が変わってきます。そういう点からも、早い時期にお子さまと一緒に受験校の候補となりそうな学校をいくつか訪れることをおすすめします。
リビングのテーブルで、「高校受験案内」や学校のパンフレット、週刊誌などを材料に学校を探すのではなく、実際に学校に足を運び、本人・保護者の目で学校のよさを見つけること、それが充実した3年間につながるのです。