受験生の冬休みからの伸びしろときっかけは?【高校受験の基礎知識】

順調でなかった子も、「転んでもタダでは起きない」!?

さて、ここまでわりと順調だったケースを見てきました。が、もちろんそんなにうまくいっていたお子さまばかりではありません。受験は山あり谷あり。谷の時期がこの受験直前にあったものの、それが合格の原動力になった! と振り返るご家庭もあります。
残念ですが、第1志望を含めた「不合格体験」が奮起の材料になった、という回答は少なくありませんでした。昨今は受験機会が増えていることと、学校選択の幅が広がっていることから、「行きたいと思える併願校」をしっかり考えて選んでいる受験生が多いため、たとえ本命が残念でも、気持ちを切り替えやすくなっているのではないでしょうか。


■奇跡の合格

  • 入試1週間前に公民がまったくわからないことを打ち明けられ、2歳年上の兄に急きょお願いして集中して勉強を教えてもらうことに。兄弟なので容赦なく厳しい指導だったが、おかげで公民だけは満点に近い点数が取れてほかの教科ができない分をカバーできて、奇跡の合格に結びついた。

■期待以上の合格

  • 学校からもギリギリまで志望校変更をすすめられたが、本人の志望校への願望が強く、またその分一生懸命がんばっていた。厳しいと言われたからこそがんばれたのかもしれません。
  • 年が明けてから、受験校を1ランク上の学校にしたいと言い始め、本人の意志があまりに強く、安全な学校を受けてほしいと思っていた親が根負けした。今思うと、落ち始めていた成績を立て直そうと、必死にがんばったのだと思う。
  • 推薦での入試も視野に入れていたので(中学校での審査にも通るかどうか微妙だった)、とにかく普段の試験に力を入れていた。何とか推薦で受験したが、案の定不合格……。それでかえって踏ん切りがついたらしく、あとはひたすらがんばって合格した感じです。

■順当な合格

  • 長男でおっとりしていて、とことんマイペースでしたが、第1志望校の推薦入試に落ちてから、やっと本気になりました。遅すぎますが、今となってはあれが彼のペースだったんだなーと思います。大学受験を控えている今も、当時と同じでのんびりしています。さすがにマズいだろう……と思っていますが、わたしは良い意味で開き直り、ただ彼の様子を観察しています。たまには発破をかけますが。
  • 第2志望の私立高校の過去問の勉強も渋々始めてはいたが、まだ受験生である自覚がほとんどなかった。しかし、公立高校の前期入試で不合格になり、そこで初めてあとがないと実感したようで、1月下旬からやっと本格的に私立・公立共に過去問一辺倒の勉強を始めた。
  • 第1志望校は不合格でした。本人はやっているという安心感に浸りたいがために、ダラダラと勉強を長時間やっていたように思えました。不合格という結果で目が覚めて1月後半頃から真剣に取り組み、現在の学校に合格できたと思っています。
  • 受験する高校が決まってから冬休み中は少し中だるみしていた。先にあった私立併願校に合格し、前期選抜の面接も本人的にはかなり上手くいった気がしていたのでのんびりしていたが不合格になり、後期選抜の試験までの期間はがんばっていた。前期で不合格になったおかげで(?)本気が出せたと言っていた。

こういった体験談が寄せられましたが、「不合格で目が覚めた」「本気になった」と今だからこそ冷静に振り返ることができるものの、当時は動揺したことでしょう。しかし、保護者のほうは動揺や焦りを見せず、本人のつらい気持ちを受け止め、気持ちを切り替えられるような家庭の雰囲気づくりを心掛けたいものです。
さらに、年明けに急に志望校変更を言い出す子も実はいます。それまで志望校について話し合い、三者面談でも「ではここで」と決めたはずが……!? と保護者としては驚くばかりですが、こういった事態にも表面上は落ち着いて対処したいもの。
入試直前まで成績や気持ち、体調のアップダウンは少なからずあるものです。学校の先生や塾の先生、家族など周りで信頼できる人とがっちり手を携えて、受験生を応援していきましょう。


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