受験生の冬休みからの伸びしろときっかけは?【高校受験の基礎知識】

受験生の保護者ならば、冬休みを過ぎてからの願いはとにかく我が子が体調を崩さず、本番で実力を発揮できるように、ということでしょう。しかし、最後の三者面談で実力の不安定さ、内申点の不足を指摘されたご家庭も少なくはないでしょう。「受験生はまだまだ伸びる」「最後まで伸びる」などという言葉がこの時期よく聞かれますが、本当のところはどうなのでしょうか。伸びるにしても、受験勉強への打ちこみ方に大きな変化が表れるにしても、何かきっかけというものがあるのではないでしょうか。そこで、2009(平成21)年度高校入試を「奇跡の合格!」「期待以上の合格!」「順当な合格!」と語る保護者のかたの体験を振り返ってみましょう。


順調派は「手ごたえ」「本人の性格に合った受験作戦」が奏功

志望校合格の原動力は何だったのか、ということを保護者のかたに振り返ってもらいました。すると、「過去問をやってみたら、けっこう良い点数が取れた」という回答がいくつか挙がりました。
まずは受験する本人が「これならできそう?」と思えることが大切ですから、過去問への取り組みが自信につなげられるとよいですね。また、最初は難しいと思っても、あともう少しでできそうだ、という見通しが本人につく程度の難しさならば、取り組んでいくことで大きな自信を得ることができるでしょう。
反対に、かなり難しい内容であれば、子どもによっては「もう自分はだめだ」と自信を失ってしまう可能性も。こればかりは受験生本人の性格によるところも大きいので、何よりお子さまのことを知っている保護者が気を付けてあげるべきポイントといえるでしょう。

さらに、何校をどういったスケジュールで受験するのかという「受験作戦」でうまく本人の気分をノセることができた、という声も。先に併願校で合格を勝ち取り、気持ちの余裕を持って挑戦校の入試に臨むなど、複数の受験機会をつくっておくことで、「ダメもとでやればよいや」とリラックスさせることができる、といった効果があるようです。
しかし、こういったプランもうまくいくかどうかは、本人次第。ダメでもともとというつもりだったのに、いざ残念な結果が出ると想像以上に落ち込み、本命校の入試までに気持ちを立て直せないという子もいます。また、一回受かってしまうと安心して、気が抜けて第1志望がダメだった、というケースも。
反対に推薦入試を断り、一般入試で受けるという「退路を断つ派」もいました。こういう子はある程度プレッシャーがあったほうが集中して取り組めるタイプなのでしょう。また本人も「一般で受かる」という自信が少なからずあったものと思われます。

以下でいくつかの声を挙げましたが、全体的にはこういったきっかけはもちろん、三者面談での学校の先生からの励ましや、今までの努力の成果を認めてくださった言葉が大きかったという回答が多数ありました。保護者のかたも、三者面談での先生の言葉を思い返してみてください。そして、お子さまの自信につながるような言葉を思い出させてあげませんか。


■奇跡の合格

  • 大阪は、前期と後期に分かれているので、チャレンジのつもりで1ランク上の高校を受験しました。後期があるので、ゆったりした気持ちで受けられたみたいでした。
  • 難関だと思っていたわりには、過去問を解いてみた手ごたえがあったので、本人もやる気が出たようです。5年分の過去問を繰り返し繰り返し解いて、受験直前には90点近くとれるまで何度も解いていました。塾でも問題傾向を分析した問題を準備してくださり、個別の学習で冬休みは毎日6時間以上指導していただきました。家に帰ってからもリズムを崩さずすごし、午前中は数学など頭を使う学習を中心に行い、就寝前には記憶や次の日の学習準備にあてるなど、計画して過ごしていました。

■期待以上の合格

  • 内申が合格標準より低かったので、当日ほかの人より最低18点多く取ることを考えた。得意な理科と易しい英語は100点を取る気でケアレスミスをなくすようにした。また苦手な社会科は過去問の研究をし、地理の復習に重点をおいて勉強した。
  • 推薦での入試を自分で断ったので最後は気合いを入れてがんばったと思う。
  • 当初からの希望校で一般受験するつもりでしたが、内申点がかなり良かったので先生から推薦をすすめられました。日頃から部活や授業などに真面目に取り組んでいたことが評価されたようです。

■順当な合格

  • 毎週日曜日には模擬試験を受けに行き、志望校が毎回安全圏であるとわかると安心につながった。三が日も塾に通い、入試まではとにかく真面目に取り組んでいた。

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