文を読むのが遅いのか? 答えを考えている時間が長いのか?[中学受験]
平山入試研究所の小泉浩明さんが、中学受験・志望校合格を目指す親子にアドバイスする実践的なコーナーです。保護者のかたから寄せられた疑問に小泉さんが回答します。
質問者
小4男子のお母様質問
国語は好きな教科ではないので、塾のテストの際にも読解力がないのか、文を読むのが遅いのか、答えを考えている時間が長いのか、問題がすべて解けず、間違いも多いです。読書は好きなのですが、どうしたら国語が好きになり読解力が上がるのでしょうか? 算数は得意教科なので、特に悩みなどはありません。小泉先生のアドバイス
「集中力」と「段取りを付ける力」をアップする
テストは「速く」「正確に」解くことが求められます。しかしこの二つの要求を同時に満たすことは、確かになかなか難しいことです。正確さを気にすれば、手つかずの問題を残してしまうでしょうし、急ぎすぎれば、解けるはずの問題を間違えてしまうかもしれません。
それではどうすれば良いのか? 一つの答えとしては、「集中力」と「段取りを付ける力」をアップすることだと考えます。
まずは、「集中力」について。お子さまが通常のペース以上の速さで文章を読み、しかもよく理解するには、「集中力」を上げる必要があります。また読む文章がお子さまの興味のない内容であれば、なおさらです。
集中力を上げるには、何らかの「制約」を付けて文章を読ませる練習をすると良いでしょう。たとえば一定量の文章を、一定時間内で読む練習などは効果的です。なお、1分間に600字というのが一般的な大人の読む速さと言われていますので、それを6年生時の目標にすると良いと思います。もちろんこれ以上の速さで正確に読めれば、それに越したことはありません。しかしあまり無理をすることもないと思います。
これは余談ですが、以前、非常に問題文を速くしかも正確に読める生徒が私のクラスにいました。その生徒は、特に≪速読法≫を学んだわけではありませんでした。以前から本が好きだったのですが、母親から「もう寝なさい」とすぐに言われるので、「ココまで読みたい」と自然に読むのが速くなったそうです。おそらく、普通の子どもの2倍以上は速かったと思います。これも「制約」付けることで読むのが速くなった例だと思います。
さて、「段取りを付ける力」とはどんなものでしょうか。「段取り」を辞書で引くと、「物事の順序・方法を定めること」とあります。すなわち、テストを解く時、どの問題から手を付けるか、あるいはそれぞれの問題にどれぐらいの時間を割り当てるかなどを事前に考えておくということです。そして予定よりも問題の解き方が遅くなっているのであれば、それこそ「集中力」をアップさせることでペースを上げるのです。
問題を解くのが遅いお子さまの様子を横から見ていると、どうも時間を意識せずに解いているように思えます。もちろん時間を意識し過ぎると、焦ってミスしてしまう可能性が高くなりますが、これも訓練だと思います。訓練により、焦る自分の気持ちもコントロールできるようにするのです。
「段取りを付ける力」とは、おおよその見当をつけながら問題を解く力でもあります。たとえば記述問題を解く時、書いては消し、消しては書く生徒を多く見受けます。これをやっていては、時間がいくらあっても足りません。しかも焦って、消しゴムで答案用紙を破ってしまうような≪悲劇≫が起きると、集中も同時に切れてしまうでしょう。
このように内容をあまり考えず書き始めるのではなく、「どこまで」に「何」を書くのかという「段取りを付ける力」も大切です。特に100字、200字と字数が多くなってくると、何も考えずに書き出した生徒は、多くの場合、途中で書くことがなくなるか、あるいは必要なことを書く前に字数オーバーになってしまうでしょう。
「集中力」は練習することでアップしていきます。そして「段取りを付ける力」は、やり方を教えて実際にやらせることで付いていきます。4年生になって読む・解くスピードが遅いと感じたら、そろそろこれらの力を付ける練習を始めるのも良いと思います。
テストは「速く」「正確に」解くことが求められます。しかしこの二つの要求を同時に満たすことは、確かになかなか難しいことです。正確さを気にすれば、手つかずの問題を残してしまうでしょうし、急ぎすぎれば、解けるはずの問題を間違えてしまうかもしれません。
それではどうすれば良いのか? 一つの答えとしては、「集中力」と「段取りを付ける力」をアップすることだと考えます。
まずは、「集中力」について。お子さまが通常のペース以上の速さで文章を読み、しかもよく理解するには、「集中力」を上げる必要があります。また読む文章がお子さまの興味のない内容であれば、なおさらです。
集中力を上げるには、何らかの「制約」を付けて文章を読ませる練習をすると良いでしょう。たとえば一定量の文章を、一定時間内で読む練習などは効果的です。なお、1分間に600字というのが一般的な大人の読む速さと言われていますので、それを6年生時の目標にすると良いと思います。もちろんこれ以上の速さで正確に読めれば、それに越したことはありません。しかしあまり無理をすることもないと思います。
これは余談ですが、以前、非常に問題文を速くしかも正確に読める生徒が私のクラスにいました。その生徒は、特に≪速読法≫を学んだわけではありませんでした。以前から本が好きだったのですが、母親から「もう寝なさい」とすぐに言われるので、「ココまで読みたい」と自然に読むのが速くなったそうです。おそらく、普通の子どもの2倍以上は速かったと思います。これも「制約」付けることで読むのが速くなった例だと思います。
さて、「段取りを付ける力」とはどんなものでしょうか。「段取り」を辞書で引くと、「物事の順序・方法を定めること」とあります。すなわち、テストを解く時、どの問題から手を付けるか、あるいはそれぞれの問題にどれぐらいの時間を割り当てるかなどを事前に考えておくということです。そして予定よりも問題の解き方が遅くなっているのであれば、それこそ「集中力」をアップさせることでペースを上げるのです。
問題を解くのが遅いお子さまの様子を横から見ていると、どうも時間を意識せずに解いているように思えます。もちろん時間を意識し過ぎると、焦ってミスしてしまう可能性が高くなりますが、これも訓練だと思います。訓練により、焦る自分の気持ちもコントロールできるようにするのです。
「段取りを付ける力」とは、おおよその見当をつけながら問題を解く力でもあります。たとえば記述問題を解く時、書いては消し、消しては書く生徒を多く見受けます。これをやっていては、時間がいくらあっても足りません。しかも焦って、消しゴムで答案用紙を破ってしまうような≪悲劇≫が起きると、集中も同時に切れてしまうでしょう。
このように内容をあまり考えず書き始めるのではなく、「どこまで」に「何」を書くのかという「段取りを付ける力」も大切です。特に100字、200字と字数が多くなってくると、何も考えずに書き出した生徒は、多くの場合、途中で書くことがなくなるか、あるいは必要なことを書く前に字数オーバーになってしまうでしょう。
「集中力」は練習することでアップしていきます。そして「段取りを付ける力」は、やり方を教えて実際にやらせることで付いていきます。4年生になって読む・解くスピードが遅いと感じたら、そろそろこれらの力を付ける練習を始めるのも良いと思います。