難関国立中学の入試問題算数 カギは「試行錯誤に慣れること」

首都圏上位校の2012年度の入試問題を、(1)難易度、(2)要求される能力、(3)目新しさという3つの軸から分析。その中から「合否を分けた問題」「合否に影響のなかった問題」「低学年でもじっくり挑戦させたい問題」はどの問題だったのかを、宮本算数教室の宮本哲也氏が解説する。
※以下は、2012年4月に開催された森上教育研究所主催「わが子が伸びる親の『技』研究会」セミナーでの宮本氏の講演を抄録したものです。

 

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【筑波大学附属駒場中・2012年度入試問題 算数】
大問4題、小問12問の構成で、試験時間は40分です。出題の難易度は昨年度より下がりました。合格に必要な得点率は85%です。小問1問しか落とせません。試験時間が男子校にしては非常に短く、40分しかありません。

 

大問1は点の移動の問題です。筑波大学附属駒場中の点の移動の問題はくせ者であることが多いのですが、今年度はひねりのない単純な問題でした。7分くらいで全問正解したいところです。

 

大問2は水量変化の問題です。条件がやや複雑ですが、難しくはありません。これも7~8分で全問正解したい問題です。

 

大問3は今年度はやりの、数の性質です。一見あれ? と思うかもしれませんが、見た目は違っていても何度も解いているはずの問題です。(3)も丁寧に整理すれば難しくはありません。ただ書き出しにはまると時間を使ってしまうので、いったん飛ばすか、この問題は捨ててもかまいません。

 

「2012年度の合否を分けた1題」は大問4です。条件整理の問題です。低学年でもパズルが好きなお子さまであれば、この問題のような図をたくさん与えて、好きなだけ書き出させてみてください。書いているうちにパターンが限定されてくることがわかるので、すんなり解けます。「2012年度の合否を分けた1題」は、この問題です。試行錯誤を嫌がらずにできれば、この問題は解けますが、試行錯誤に慣れていないと(2)(3)はとまどうかもしれません。大問4が解けないと、今年度の筑波大学附属駒場中の合格は難しいです。

 

出典:2012年度入試問題 学校別分析 【麻布中、筑波大学附属駒場中、開成中】<算数> -ベネッセ教育情報サイト

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