学校説明会で見極めるポイントと方法[中学受験合格言コラム]

「在籍者」の保護者アンケートでは、学校説明会で外面的な確認事項が保護者の理想に適合した場合、「在籍校は我が子に合った学校である」と答えた保護者が増えた。保護者にとって、外面的な要素はわかりやすい。学校説明会では、積極的に外面的な確認事項で「我が子に合った学校」かどうかを見極め、志望校を絞り込み、決定すると良いだろう。
さらに分析してみると、外面的な確認事項のうち、「教職員の外面的な礼儀・服装・言葉づかい・態度など」が理想に適合した場合の在籍校満足度が95%と高かったことで、全体を押し上げていることがわかった。
これらのことから、学校説明会では、わかりやすい「教職員の外面的な礼儀・服装・言葉づかい・態度など」で学校の本質を見抜くことができることがわかる。

また、外面的な要素ではないが、「在籍者」の保護者アンケートの分析結果から、最もわかりやすく、しかも「我が子に合った学校」かどうかを見極めることができる要素は、「校長先生・幹部の先生方の話の内容」(92%)であった。やはり、学校説明会では、先生方に注目すると、「我が子に合った学校」かどうかを見抜く良い機会となることがわかる。「校長先生・幹部の先生方の話の内容」には、具体的に、どのようなポイントを見極め、そのポイントをどのような方法で分析すれば本質を見抜くことができるのだろうか? 「在籍者」の保護者アンケートを見ると、確認事項を見極めるポイントとその本質を見抜く方法についてアドバイスとなる記述があったので紹介しよう。

まず、「校長先生の話」を見抜く方法としては、こんな声があった。「校長先生のお話は、学校の方針等が反映されているので参考になった」「リーダーによって組織は決まる。校長先生の話や態度をしっかり見ることが大事」。
「幹部の先生方の話」を見抜く方法は、「学校説明会の時、諸先生方の話が簡潔・明瞭であった学校は、入学してからもきちんとした指導を行っている場合が多い。保護者がどんなことを聞きたいかもわからない学校は、入学後もとんちんかんな様子」「部長先生の人となりを見ると、全体の教師像が見えてくる」。

上記をまとめると、校長先生・幹部の先生方の話を聞く姿勢として、一つは「話の内容に一貫性や整合性があるか?」を確認する。具体的には、「学校案内にある≪教育方針と校風≫と合致しているか?」「話に矛盾はないか?」という点にポイントを絞って話を聞くと良い。もう一つは「話の内容に人間性があるか?」を確認することだが、これは内面的な要素と同じように直感で判断することになる。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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