国語ではケアレスミスが多く、算数では解く速さが少し遅い[中学受験]

平山入試研究所の小泉浩明さんが、中学受験・志望校合格を目指す親子にアドバイスする実践的なコーナーです。保護者のかたから寄せられた疑問に小泉さんが回答します。


質問者
小3女子のお母様

質問
国語では、作文やテストの解答を書く時などに、ケアレスミスが多く困っています。「~だったと思う」と書いたつもりが「~だっと思う」になってしまったり、文章からそのまま一文を抜き出す問題で、本文を写すだけなのに、一文字抜けていたり語尾の言葉を変えてしまったり。毎回ではないのですが、これから高学年に向けて直っていくのでしょうか。
算数では、計算力はあるのですが、得意な子と比べると解く速さが少し遅いようです。クラス内では普通くらいですが、そろばんや公文の塾に通っている子はやはり計算が速いようで、本人は気にしているようです。算数は得意なほうなので、ほかの問題はどんどん解いてしまうのですが計算には時間がかかります。学校では毎日計算の宿題が出るので少し苦痛のようです。

小泉先生のアドバイス
見直しを習慣付ける・集中して計算練習を行う

テストの採点をしていると、誤字脱字などのミスも多いのですが、「抜き出し問題」で一文字抜けているなどのケアレスミスもしばしば見かけます。あるいは本文はひらがなで書いてあるのに、わざわざ漢字で書いてしまう子どももいます。このようなミスで得点を失うことは、大変な損失であり、今すぐ直していく必要があります。そのまま放置しておくと、高学年になっても同じようなミスを繰り返す可能性があります。

こういったケアレスミスを直すにはまず、よくやるミスをお子さまに認識させることです。案外、本人が意識していない場合もあるので、お母さんが注意してあげると良いと思います。ただし、叱るというよりも、「こんなところでミスして、本当に残念ね……」とお子さまと一緒にくやしがり、ケアレスミスしたという事実を深く印象付けると良いでしょう。
それとともに、答案の見直しを習慣付けるようにしてください。たとえば抜き出し問題では、自分の答案を本文と比べてみることです。見直しすることで数秒から十数秒の時間を試験中に費やすことになりますが、ケアレスミスで失う得点を考えれば、必要な時間と言えるでしょう。これらを繰り返し行い、ミスがなくなるまで続けると良いと思います。

次は算数に関してですが、計算力すなわち「計算する速さ」と「正確性」は、これからの算数の伸びに大いに関係してきます。なぜなら算数は、こなした問題量と成績が正比例の関係にあるからです。
すなわち、算数は得意であってもあまり問題量は解いていない生徒は、問題量を解いた生徒に最後は負けてしまうということです。もちろん天才的な生徒はいると思いますが、大部分の生徒は、相応の問題量を解いて御三家など上位の学校に入っていきます。そして問題量を解くには、計算力の速さは非常に重要なのです。

さて計算力をつけるためには、中学年の今のうちに計算練習をたっぷり行うことが大切です。その意味では、毎日の計算の宿題は大変ありがたい勉強であると言えます。「イヤだなあ」と思って、いやいやしていると苦痛でしょうし、なかなか上達しません。「よしヤルゾ!」と、集中して取り組んでみましょう。
そして集中力をつけるには、時間を計りながら計算するのも良いでしょう。正しい答えをいかに速く出すかという「ゲーム」性を持たせることで、集中力が増加し、しかも楽しく勉強ができると思います。6年生になって慌てないために、ぜひ今のうちに計算力を身に付けておいてください。

プロフィール


小泉浩明

桐朋中学・高校、慶応大学卒。米国にてMBA取得後、予備校や塾を開校。現在は平山入試研究所を設立、教材開発など教務研究に専念。著作に「まとめ これだけ!国語(森上教育研究所スキル研究会)」などがある。

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