すぐに「意味がわからない」と言ってやる気をなくしてしまう[中学受験]

平山入試研究所の小泉浩明さんが、中学受験・志望校合格を目指す親子にアドバイスする実践的なコーナーです。保護者のかたから寄せられた疑問に小泉さんが回答します。


質問者
小3女子のお母様

質問
文章問題が苦手です。塾には通っていないので、家で問題集をやらせています。計算問題ではうっかりミスを連発しますし、文章問題では問題を読んで、すぐに「意味がわからない」と言ってやる気をなくしてしまうようです。本は嫌いではないようなのですが、長編ものは読もうとしません。

小泉先生のアドバイス
学習する習慣を付け、やがては自主的に勉強する姿勢を培っていく

お子さまは小学3年生であり、性格的にもあきっぽいとのことですから、まだまだ学習の習慣が付いていないのだと思います。塾に通うようになれば勉強する量も増えますから、自然と学習習慣も付いていきますが、家庭でも習慣付けは可能です。お母さんがお子さまの学習をみることで、学習する習慣を付け、やがては自主的に勉強する姿勢を培っていくのです。

お母さんがお子さまの学習をみる場合、「管理型」「参加型」「指導型」の三つの方法があります。

「管理型」とは、お母さんがお子さまの勉強計画を作成し、その進み具合をチェックする方法です。書店で教材を購入し、一日に勉強する範囲を決め、そして定期的に進み具合をチェックしていきます。お母さんのチェックが入るので、お子さまも真面目にやらざるを得なくなり、やがては「見てくれていること」が励みになることでしょう。教材に答えがついていれば採点はお子さまでも可能でしょうが、お母さんが採点すればヤル気も違ってきます。学習内容としては、国語の漢字や算数の計算などが適当でしょう。

「参加型」とは、お子さまの学習に、お母さんも参加する方法です。たとえば国語の音読をお子さまだけではなく、お母さんも一緒にやっていきます。あるいは算数の計算をお子さまと一緒にやって、どちらが速くできるか競争するのも良いでしょう。一緒に勉強することで、お子さまは勉強に対する負担感が少なくなりますし、「競争」などのゲーム性を持たせればさらに楽しく勉強することが可能です。学習内容としては、音読であるとか百マス計算などが良いでしょう。

「指導型」とは、お母さんがお子さまに勉強を教えるスタイルです。家庭教師のように、一定時間対面で勉強を教える方法でも良いでしょう。あるいはダイニングテーブルでお子さまを勉強させて、わからないところを、家事の合間に教える方法でも良いと思います。学習内容は、算数の文章題や国語の読解問題など何でも対応可能でしょう。ただし高学年になり、学習内容が高度になってくると、即答できなくなる可能性があります。また難しい算数の問題や国語の記述問題などは、なかなか対応するのが厄介かもしれません。

以上、三つの方法を挙げましたが、これらの方法を適当にミックスしてもかまいません。たとえば普通は「管理型」で、マルつけもお子さまに任せていても、進度チェックは1週間に一回必ず行います。そして時間がある時は、わからなかった問題だけをまとめて教えるという方法です。お母さんも日常の家事や仕事で忙しいと思いますので、あまり無理をすると長続きしません。すなわち、お子さまのヤル気がない時など、つい感情的になり最後はケンカになってしまうでしょう。ある程度余裕を持って、継続できる範囲内で、お子さまの勉強をみてあげるのが良いと思います。そして、時間的あるいは内容的に手に余るようになった時が、お子さまが「お母さんとの勉強」を卒業する時だと思います。

プロフィール


小泉浩明

桐朋中学・高校、慶応大学卒。米国にてMBA取得後、予備校や塾を開校。現在は平山入試研究所を設立、教材開発など教務研究に専念。著作に「まとめ これだけ!国語(森上教育研究所スキル研究会)」などがある。

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