ため息も厳禁![中学受験]

先週は、親が無口になると子どもが怖がるという話だった。今週は、「ため息」の話。

2学期以降は、実力テストや模擬試験などお子さまの力を測る機会が多々ある。テストの結果を最初に手にするのは子ども自身であろう。
良い結果を残せなかった子どもは、多少の危機感を抱きながら親にその報告をする。そしてその時の親の反応は、子どもにとって判断を確定する材料になる。

たとえば偏差値も良く、自分で良くできたと思っている試験があったとする。おそらく、先生もほめてくれたであろう。そんな場合でも、最後は親に見せて「良くできた!」を言ってもらい安心したいのである。
「良いのか、悪いのか」の最終判断をしてもらわないと、やはり不安なのだ。

逆に悪い結果の時も同じで、自分でも悪いとは思っているが、やはり最後の判断は親の一言である。
いくら悪くても、「ここをがんばれば良い」などのアドバイスをもらえれば、それだけで不安はやわらぐ。何の不安かと言えば、「自分はもう見放されたか?」という不安である。
「アドバイスなんてとてもできない」というご両親もいるかもしれないが、お子さまの話を聞いてあげるだけで良い。

たとえば
母「今回は国語が良くないね。どうしたの」
子「論説文に時間がかかり過ぎて、物語文をやる時間がなくなったんだ」
母「どうすれば良かったのかな?」
子「そうだな、やはり時間配分をきっちり守るべきだった」
母「それじゃ次からはその点に気を付けようね」
という具合だ。

この会話でのポイントは、「なぜ?」と「どうしたら良い?」をお子さまに問いかけているだけで否定していないこと。
もし「どうすれば良かったかな?」というところで、「ダメじゃないの、今頃そんなミスやるなんて!」と言ってしまうと、お子さまは自分でもわかっていることであるから余計に萎縮する。そして最悪なのが「ため息」。「ため息」はある意味では、叱られるよりつらい反応である。あきらめられて、見捨てられた気分になってしまう。
もし母親の「どうすれば良かったかな?」という問いにお子さまが答えられないのであれば、「先生に相談してごらん」とか「私が相談してみる」ということで解決策を見出すようにすれば良い。

勇気づける会話とは、「そうだね、そうだね」と同意してあげるものでも、あるいは「こうしなさい」と指導するものでもなくて良い。
話を聞いてあげる、そして一緒に考えてあげることが勇気づける会話と言えるのではないか。
特に「先生」という立場ではなく、あくまでも「母親」または「父親」という立場であれば必ずしも教務的な指導は必要ないであろう。

プロフィール


小泉浩明

桐朋中学・高校、慶応大学卒。米国にてMBA取得後、予備校や塾を開校。現在は平山入試研究所を設立、教材開発など教務研究に専念。著作に「まとめ これだけ!国語(森上教育研究所スキル研究会)」などがある。

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